猫の溶血性貧血〜原因・症状と対策

溶血性貧血という言葉に馴染みのある方は少ないのではないでしょうか。溶血性貧血は血液の中にある赤血球が壊されることによって酸素が全身に行き渡らなくなってしまっている状態のことを指します。つまり溶血とは赤血球が壊されることを意味しており、それによって貧血状態になっている状態を溶血性貧血と言います。ここでは猫の溶血性貧血の原因や症状、対策についてご紹介していきます。

猫の溶血性貧血の原因

猫の溶血性貧血の原因には様々なものがあります。溶血性貧血は何らかの原因によって血液の中の赤血球が壊されてしまって引き起こされるので、赤血球が壊されるような現象が体内で起こっているということです。その原因は多岐に渡っているので順番にご紹介していきます。

基礎疾患による原因

病気が原因で溶血性貧血を引き起こすことがあります。その主なものには悪性リンパ腫、甲状腺機能亢進症、糖尿病などが挙げられます。基礎疾患によって溶血性貧血が引き起こされる場合には重篤な症状に発展する病気が多いので、治療が可能な場合には早急に治療を施してあげてください。

遺伝による原因

ピルビン酸キナーゼという酵素が欠損していることによって溶血性貧血が引き起こされます。そしてそれは遺伝するので、遺伝によって溶血性貧血になる場合があります。ピルビン酸キナーゼが欠損していると赤血球にエネルギーを供給する力が弱くなり、赤血球が壊れやすくなります。

母乳による原因

子猫の赤血球を母猫の母乳に含まれている抗体が異物と認識して攻撃してしまうことによって溶血性貧血が発症してしまう可能性があります。そこには血液型が関係していることが多く、母猫と子猫の血液型が異なるとリスクが高まります。母乳によって子猫の赤血球が壊されてしまうことを新生子溶血と言います。

自己免疫性による原因

自己免疫性については原因がわかっていないことが多いです。自己免疫性とは自身の免疫細胞が他の細胞を攻撃する現象のことを指します。つまり自身の免疫細胞が自身の赤血球を攻撃することによって溶血性貧血が引き起こされるということです。それに関しては原因を特定することが難しい場合が多いので非常に厄介な原因となります。

外傷による原因

外傷性とはいっても傷口が関係して溶血性貧血を引き起こすということではありません。反復的な動作や長時間にわたって同じ部位に負荷がかかり過ぎていると赤血球が壊されてしまうことがあり、それによって引き起こされるものを外傷による原因と見なします。それについては外傷性溶血性貧血と言い、自己免疫性とは明確に区別されます。

異物の侵入による原因

寄生虫や薬物、有毒な物質や植物、マイコプラズマなどの異物が体内に侵入して赤血球が壊されてしまうことがあり、それらによって多量の赤血球が壊されてしまうと溶血性貧血を引き起こします。

ハインツ小体性による原因

ハインツ小体性とは赤血球内のヘモグロビンが変化したもののことを指します。その原因はタマネギといった食物や解熱剤、鎮痛剤、防虫剤、保湿剤といった酸化物です。特にタマネギは毒性が強いので注意しなければなりません。

猫の溶血性貧血の症状

猫の溶血性貧血の主な症状は食欲不振や呼吸困難、黄疸、尿の赤茶色化などが挙げられます。食欲や運動意欲が減退し、それに伴って猫の元気がなくなっていると溶血性貧血の症状が出ている可能性がありますが、とはいえそのような症状は多くの病気で表れる症状なので見分けがつきにくいと言えます。溶血性貧血の症状の中で見分けやすいものは目や尿の色の変化です。白目の部分が黄色になっていたり、尿の色が赤茶色になっているときには溶血性貧血を疑ってください。

猫の溶血性貧血の対策

猫の溶血性貧血の原因は非常に多く、多岐に渡っているのでそのすべての対策を実践することは難しいです。ただ予め対策できるものはしておいたほうが飼い猫のためになるので実践してあげてください。特に異物を体内に取り込ませないようにすることについては気を付けてあげましょう。その他の原因は予め対策を取ることが難しいので、もし溶血性貧血が発症してしまったときには早期のうちに発見できるようにしっかりと飼い猫を観察してください。

猫の溶血性貧血の治療

猫の溶血性貧血の治療は内科治療、外科手術、輸血によって行われます。また溶血性貧血を引き起こしている原因が明らかな場合には原因を取り除きます。基本的には内科治療をしながら安静にし、2週間程度で完治することが多いです。それでも完治しない場合には外科手術や輸血をして治療をします。

まとめ

猫の溶血性貧血の原因や症状、対策についてご紹介しました。溶血性貧血は原因が多岐に渡っているので、すぐに詳細な原因を特定することが難しくなっています。まずは猫に表れている症状から溶血性貧血の可能性があることを見抜き、早めに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。内科的な治療をしつつ経過を観察し、すぐに完治するようであれば問題ありませんが、そうでない場合には外科手術や輸血をする場合があります。溶血性貧血が発症している飼い猫の病気を治してあげられるよう、しっかりとした対処を心がけてあげてください。

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