近年、住宅の進化に伴いニュースや新聞などでよく取り上げられるようになったのがシックハウス症候群です。シックハウス症候群は建築用建材から発生する化学物質などによる室内空気汚染によってでてしまうさまざまな健康被害を指します。最初はその影響は人間だけに出るものと考えられていましたが、最近では猫にまでシックハウス症候群の症状が見られるようになってきました。今回はそんな猫のシックハウス症候群について詳しくご紹介しましょう。
猫のシックハウス症候群の原因
住宅内で起こる空気汚染からくるさまざまな健康への影響をまとめてシックハウス症候群と言います。シックハウス症候群はどういった物質が原因となってどういった症状が出ると特定されるものではなく、その原因も症状も多種多様でシックハウス症候群の明確な定義と言われるものはありません。またその発症のメカニズムも解明されていない部分が多くあります。
建材からくる化学物質によるもの
建築用建材として利用されている新建材には化学物質を含有したものや添加したものが多く使用されています。そういった建材によって室内の空気が汚染されてしまいシックハウス症候群を発症してしまうことがあります。具体的には壁紙や接着剤、合板、塗料などがあります。
家具などからくる化学物質によるもの
絨毯やカーテン、家具などにも化学物質が使用されており、そういったものを部屋に置くことでシックハウス症候群を発症してしまうことがあります。具体的には接着剤やカーテンなどに利用されている難燃剤、絨毯などに使用されている防虫剤などがあります。
ダニ・カビによるもの
家の中にいるダニやカビが原因となりアレルギー症状を引き起こしてしまうことでシックハウス症候群にかかってしまうことがあります。
換気不足によるもの
室内にこもった空気が原因でシックハウス症候群を発症してしまうことがあります。
体質の変化によるもの
急激な環境の変化や病気などによる体質の変化によってシックハウス症候群に陥りやすくなるといわれています。
猫のシックハウス症候群の症状
猫がシックハウス症候群を発症するとさまざまな症状が見られるようになります。その症状は猫によっての個体差が大きく、定義があるわけではありません。またシックハウス症候群を発症していても多くの場合で飼い主が気付くことなく、状態が悪化してしまうこともあります。またその症状からすぐにシックハウス症候群だと診断されることは少なく、ほとんどの場合で他の病気と勘違いされてしまいます。症状が室内にいるときだけ見られる場合にはシックハウス症候群の可能性が非常に高くなります。どういった場所やどういった時に症状が見られるのかなどもしっかり観察しましょう。
初期の症状
初期の症状としては目の充血やかゆみ、流涙症や視力低下、鼻水や咳やくしゃみなどがあります。ぼーっとすることが増え、寝て過ごす時間が増えることもあります。
進行状態
症状が進行していくと、食欲不振や吐き気、下痢や便秘などの症状が見られるようになります。平衡感覚に影響が出た場合にはまっすぐ歩けなくなり、皮膚に痒みが生じたり、不整脈が出たりすることもあります。
猫のシックハウス症候群の対策
命の心配はない病気ですが、家の中で過ごす時間が長い猫にとっては非常に苦痛な病気がシックハウス症候群です。多くの場合で飼い主が気付けず、また猫もそれほど強い症状を発症するわけではないのでそのままにしてしまいがちですが、きちんとした対策をとることが非常に大事です。シックハウス症候群は環境を変えない限り改善されることがなかなか難しく、完治が難しい病気です。シックハウス症候群の症状が見られた場合には獣医師に相談するようにしましょう。
内服による治療
抗アレルギー剤や抗生物質の投与により症状を緩和します。
カビ・ダニ対策
カビやダニが原因となっているような場合ではカビやダニの発生を抑えることが一番の対症療法になります。換気や掃除をこまめに行い効果的なカビ、ダニ対策を行いましょう。
化学物質対策
化学物質が原因となっているような場合にはリフォームなどを行って環境を改善していくことが最も効果的です。
空気清浄機を使用する
緊急措置的な対応ですが、空気清浄機を使用することで空気中にある原因物質をある程度取り除くことが可能です。効果的な治療を行うのであればやはり原因物質を取り除くことが何よりも大事になります。
まとめ
猫のシックハウス症候群はなかなか認知度も低い病気で、飼い主が気付きにくいものです。そのため長い間に渡って愛猫が苦しむようになり、またそのストレスから家の中にいるのを嫌がることもあります。また猫がシックハウス症候群にかかっているということは人間でもかかってしまう可能性があります。自分のことにも置き換えて愛猫ともども健康対策に乗り出せるようにしっかりと考えていきましょう。
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