猫の胃潰瘍とは胃の粘膜が傷ついた状態になっていることを指します。胃の中の粘膜に傷がついて胃潰瘍を発症していると吐血することもあります。ただ胃潰瘍になっていても症状が出ないということは少なくないので胃潰瘍を引き起こしていることに気付けないということもあります。ある日突然症状が出るということもあるので注意してください。猫の胃潰瘍の原因や症状、対策についてご紹介します。
猫の胃潰瘍の原因
猫の胃潰瘍の原因は多岐に渡っているので、以下で詳しくお伝えしていきます。
基礎疾患が原因の場合
猫の胃潰瘍を引き起こす基礎疾患の代表的なものは胃炎や慢性腎不全、肝臓や脾臓の疾患、アジソン病などです。胃の病気ではない基礎疾患が胃潰瘍を引き起こすこともあります。
薬剤が原因の場合
グルココルチコイドや非ステロイド抗炎症薬などの薬剤が原因で胃潰瘍を発症することがあります。
寄生虫が原因の場合
回虫や胃虫などの寄生虫が原因で胃炎を引き起こし、それが結果的に胃潰瘍の原因となることがあります。
身体的ストレスが原因の場合
胃潰瘍は精神的なストレスが原因で発症するというイメージがありますが、猫の場合は身体的なストレスによって胃潰瘍を発症します。具体的には低血圧や熱中症、敗血症、やけどなどです。
猫の胃潰瘍の症状
猫の胃潰瘍が引き起こす主な症状は嘔吐や血便、腹痛、吐血などです。胃潰瘍の症状として表れる吐血は鮮血ではなく黒く濁った血を吐くので、そのような吐血の症状が見られたときには胃潰瘍の可能性が高まります。ただ胃潰瘍を引き起こしていても症状が出ないということは少なくないので、胃潰瘍の症状が出ていないからといって安心はできません。また胃潰瘍の症状が出たときには症状が進行してしまっているということがあります。早急に動物病院に連れていき、獣医さんの診察を受けさせてあげてください。
猫の胃潰瘍の対策
猫の胃潰瘍の対策は原因を取り除く形で行うようにすると効果的です。特に寄生虫症や薬剤、身体的なストレスに関しては未然に防ぐことが可能なので意識的に予防するように心掛けましょう。ただ基礎疾患が原因となる胃潰瘍に関しては対策を取ることが難しいです。猫の身体に不調のサインが出ているときは獣医さんに適切な検査をしてもらい、その原因を特定してもらってください。
猫の胃潰瘍の治療
猫の胃潰瘍の治療は基本的に対症療法となります。制酸薬や抗ヒスタミン薬を投与して胃酸の分泌を抑える治療を施します。それでも効果が見られなかったり、出血や腹膜炎を併発しているときには入院して輸血や輸液をしながら経過を観察することもあります。また基礎疾患が原因で胃潰瘍を引き起こしているときはその治療を行い、場合によっては手術をしなければならないこともあります。外科手術は猫の身体に大きな負担がかかるので、獣医さんと相談しながら慎重に検討するようにしてください。
まとめ
猫の胃潰瘍の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫の胃潰瘍は基礎疾患や薬剤、寄生虫、身体的ストレスによって引き起こされることがあります。猫の身体に症状が表れていなくても胃潰瘍になっていることがあるので注意してください。猫が胃潰瘍になっていると吐血することがあり、そのような症状が見られたときには胃潰瘍の状態が深刻化している可能性もあります。猫に体の不調が表れているときには早急に獣医さんの診察を受けさせてあげてください。胃潰瘍は胃の粘膜に傷がついてその範囲が広がっていきます。胃潰瘍が進行する前に気付いてあげられるように心掛けてください。猫の胃潰瘍を引き起こしている原因の中には肝臓や脾臓の疾患や腎不全などのような重い病気も含まれています。症状が進行してしまう前に適切な治療を施してあげてください。
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