猫の鼻出血という病気をご存知でしょうか。鼻出血という言葉になじみはなくても、一般的によく使われる鼻血といえばピンと来る人も多いかもしれません。鼻の内部で出血が起こることや、それによって血が鼻の穴を通して出てきたりしたものを鼻出血と言います。人間であれば鼻の触り過ぎなどと言われることもある鼻出血ですが、猫の場合さまざまな病気によって起こることもあります。今回はそんな鼻出血について詳しく見ていきましょう。
猫の鼻出血の原因について
猫の鼻出血の原因にはさまざまなものが考えられます。鼻の内部にはさまざまな血管が集まっており、何が原因かによって出血を起こす血管の損傷も変わってきます。まずはその出血の原因がケガによるものなのか病気によるものなのかを見分ける必要があります。
事故によるもの
猫同士のケンカや交通事故、高いところからの落下や打撲などにより、鼻の中の粘膜が傷つくことで出血を起こします。外的要因による出血の場合、大量に突然出血を起こしやすい特徴があります。
腫瘍によるもの
鼻の中に何らかの腫瘍やポリープができてしまった場合、出血を引き起こすことがあります。特に扁平上皮癌や悪性リンパ腫、繊維肉腫、腺癌などによって引き起こされることがあり、鼻腔腫瘍によって出血を伴ったり、血がたまり鼻が腫れあがったりすることもあります。少量の出血を長期的に伴うこともあり、飼い主が気付きにくいものでもあります。
感染症によるもの
細菌や真菌の感染により鼻血を伴うことがあります。細菌や真菌が混じっているので血液に膿が混ざりドロッとした出血を起こします。
基礎疾患によるもの
もともと持っている病気の影響で血管がもろくなり出血を伴うことがあります。甲状腺機能亢進症やクッシング症候群、多血症、骨髄腫、血管炎やアレルギー性鼻炎でも鼻の内部が敏感になっているため出血を引き起こしてしまいます。
猫の鼻出血にはどんな症状が?
猫の鼻出血の場合、鼻出血自体が症状でもあるためそのほかの症状が確認しづらくなります。また何が原因で鼻出血を起こしているかにもよって症状の出方は変わってきます。鼻出血の主な症状の特徴としては、鼻血があること、出血により鼻腔内が狭くなり呼吸が荒くなったり、鼻詰まりが起こりやすくなったりすることもあります。時にはくしゃみや咳をすることもありますが、あまりわかるものではありません。また一番症状がわかりやすい鼻血ですが、猫の鼻が小さいため出血が外まで出てこないこともしばしばあります。
外的要因が原因となる鼻出血であれば、飼い主が気付かないうちに完治してしまうこともありますが、腫瘍や感染症、疾患が原因の鼻出血の場合飼い主がその症状に気づくことができず、鼻が腫れあがるなどの症状が出て初めて気づくこともよくあります。しかし鼻の内部に血がたまってしまったり、膿がたまってしまったりするほど悪化した状態では、腫瘍などが進行してしまっていることも考えられ最悪の場合治療を施すすべがないこともあります。症状が出にくい鼻出血だからこそ、どんな些細な変化にも飼い主が気付いてあげられることが大事になります。
愛猫を鼻出血から守るためにできること
外的要因が原因で鼻出血を引き起こしてしまっている場合は、ほとんどの場合で安静にしていれば出血は止まります。出血に飼い主が驚いて鼻に詰め物をしたほうがいいと考える人もいるようですが、猫の鼻は非常に小さく綿を詰めたり、綿棒を使ったりするのは非常に危険です。交通事故や骨折を伴うような事故の場合は、早急に獣医師に診せるようにしましょう。長期間にわたって鼻出血が確認できる場合は、腫瘍や感染症、基礎疾患が疑われます。医師と相談しながら、何が原因で鼻出血を起こしているのかを突き止め、根本的な病気の治療を行っていくことが大事になります。
愛猫が鼻出血を引き起こす原因は外的要因か病気によるもののどちらかが基本です。病気によるものの場合、病気の治療こそが鼻出血を避けることにもつながりますが、事故やケガなどは飼い主が注意することで防ぐことができるものです。好奇心が旺盛でアクティブな猫だからこそ鼻出血を起こしてしまう可能性は大いにあります。その時に慌てず正しい方法で対応しなくてはかえって愛猫を傷つけてしまうことになります。
まとめ
猫の鼻出血と一言で言っても、その原因はさまざまでたかが鼻血と軽視することができない病気です。また鼻出血を確認したときに飼い主の知識がないことで小さな猫の鼻を傷つけてしまい、鼻出血を悪化させてしまうこともよくあります。愛猫に鼻出血が確認された場合、その出血がどういったものなのかをしっかり考え、獣医師に相談しながらしっかりと治療を行っていくようにしましょう。
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