猫の日和見感染症〜原因・症状と対策

日和見感染症という言葉に馴染みのある方は少ないのではないでしょうか。猫の日和見感染症とは、体の免疫力が低下しているときに、免疫力が通常の状態のときには発症しなかった感染症が発症することを指します。猫の身体には細菌やウイルスなどの微生物が潜んでいることがありますが、免疫力によってそれらが猛威を振るうことを防いでいます。けれども免疫力が低下するとそれらからの攻撃を防ぎきることができなくなり、様々な感染症を引き起こしてしまいます。猫の日和見感染症の原因や症状、対策についてご紹介していきます。

猫の日和見感染症の原因

猫の日和見感染症の原因は、免疫力の低下によってそれまでは症状として表れていなかった体内に潜んでいる微生物が身体に危害を加えてくるようになることです。微生物には細菌やウイルス、真菌、藻類などが含まれており、それらが感染症を引き起こす原因となります。それらの微生物の大きさは小さいほうからウイルス、細菌、真菌、藻類となっており、ウイルスは特に極めて小さいので体内への侵入を防ぐことは非常に難しいと言えるでしょう。日和見感染症は免疫力が大きく関係しています。

猫の日和見感染症の症状

猫の日和見感染症の症状はその原因によって異なります。日和見感染症の症状から感染症を引き起こしている原因となっている微生物を特定する可能性があるので猫の身体に表れている症状をしっかりと見極めてください。とはいえ重複している症状が多いので、飼い猫の体調がすぐれない時にはまず獣医さんの診察を受けさせ、原因を特定してもらいましょう。

ロタウイルス感染症(ウイルス)

下痢の症状が出て脱水症状を引き起こすことがあります。ロタウイルスはほぼすべての動物を宿主にしているので体内に潜伏している可能性が極めて高いウイルスと言えるでしょう。またロタウイルスは人間にも感染し、胃腸炎などの病気の原因となります。

マイコプラズマ症(細菌)

咳や鼻水、くしゃみ、発熱などの風邪のような症状に加え、感染性関節炎、結膜炎、眼漏などの症状を引き起こします。マイコプラズマは他の動物には感染しない性質をもっているので猫から人間に感染することはありません。

ノカルジア症(細菌)

呼吸困難や骨髄炎、胸膜症、皮膚病変などの深刻な症状を引き起こします。体内への侵入経路は傷口や呼吸器にノカルジアが付着することです。ノカルジアは土壌中に潜んでいるので身体に傷があるときに外出させないことや異物を口にさせないことが大事になります。

アクチノミセス症(細菌)

発熱などの症状が出て、重症化すると腹膜炎や骨髄炎を引き起こします。アクチノミセスは口の中の常在菌の一種なので、ほとんどの猫の口内にいる細菌です。粘膜や皮膚の傷から体内に侵入するとアクチノミセス症になる可能性があります。

ボルデテラ症(細菌)

くしゃみや鼻水、咳、発熱などの風邪のような症状に加え、食欲不振や呼吸困難、ひどい場合には肺炎を引き起こす可能性があります。投薬によって2週間程度で治ることが多いですが、細菌は半年程度残っているので他の猫に感染を広げてしまう可能性があります。他の猫との接触には十分に注意してください。

カンジダ症(真菌)

カンジダ症は膀胱炎や外耳炎を引き起こします。またよだれが垂れるという症状が見られるのでそのような時にはカンジダ症を疑ってください。カンジダ菌は消化器系や生殖器官にいる真菌の一種です。

アスペルギルス症(真菌)

くしゃみや鼻水、鼻血、いびき、眼球突出、中枢神経症などを引き起こします。アスペルギルスは猫の鼻腔内に常在しています。免疫力が低下することで病原菌となります。

ピシウム症(真菌)

肉芽腫性病変や潰瘍性結節の症状が出ます。ピシウムは病原性が非常に強いので免疫力が低下していなくても発症する可能性があります。ピシウムは池や沼などに生息し、それが含まれている水を口にしてしまうことで感染します。消化器または皮膚に症状がでます。

プロトテカ症(藻類)

血便や下痢に伴う体重減少、視覚障害、皮膚結節などの症状がでます。プロトテカは汚水の中に生息していることがあり、感染してしまうと体内から完全に除去することが難しくなります。猫だけではなく人間に感染する可能性もありますが、人間はそのような汚水を口にする可能性が低いのでそれほど心配はないと言えます。しかし猫は何を口にしてもおかしくないので気を付けてあげてください。

猫の日和見感染症の対策・治療

猫の日和見感染症の対策や治療はそれぞれの微生物に応じて異なります。汚水や土壌中に生息している微生物に関してはそれに触れさせなければ感染しないので、そのような場所と引き離すことが有効な対策となります。しかし体内に常在している菌に関しては防ぎようがなく、免疫力が低下しないようにするしかありません。

ロタウイルス感染症(ウイルス)

点滴等の方法で脱水症状を治療します。

マイコプラズマ症(細菌)

ドキシサイクリンやテトラサイクリンといった抗生物質を投与します。

ノカルジア症(細菌)

抗生物質の投与や胸腔穿刺などの治療法になります。

アクチノミセス症(細菌)

治療方法は投薬、膿の除去や傷口の洗浄となります。

ボルデテラ症(細菌)

ドキシサイクリンやテトラサイクリンなどの抗生物質の投与となります。

カンジダ症(真菌)

抗真菌薬を投与して治療します。

アスペルギルス症(真菌)

抗真菌薬を投与して治療します。

ピシウム症(真菌)

イトラコナゾールを投与し、必要な場合は病変部を切除します。

プロトテカ症(藻類)

フルコナゾール、ケトコナゾール、アンホテリシンBを投与します。

まとめ

猫の日和見感染症の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫の日和見感染症は免疫力の低下によって引き起こされます。通常の状態では発症することのない感染症が免疫力の低下によって病原菌となって身体を蝕むようになるので、免疫力の低下を防ぐことが最も有効な対策となります。十分な運動や栄養バランスのとれた食事などによって猫の免疫力が低下しないように心がけてください。しかし病気によって免疫力が低下してしまっていることもあります。猫の体調が悪そうであると感じた時にはすぐに獣医さんの診察を受けさせてあげてください。

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