猫の心筋炎〜原因・症状と対策

人間でも起こることがある心筋炎ですが、猫でも発病してしまうということをご存知でしょうか。よく耳にする心筋の細胞が大きくなったり変質したり、分厚くなったりする心臓の病気である心筋症とは違い、心筋炎は心筋に炎症細胞が侵食してしまい発生する病気です。炎症を起こしてしまった心臓は正常な働きができなくなり、不整脈を起こしさまざまな病気や症状を引き起こしてしまうこともある危険な病気です。

猫が心筋炎になってしまう主な原因

猫が心筋炎を発生する場合は急性心筋炎として発症するものがほとんどですが、まれに慢性心筋炎として発症する猫もいます。その原因は突発性で原因不明の場合もありますが、主な原因として4つのことが考えられます。

ウィルスなどによる感染症

心筋炎の原因で最も多いとされるのがウィルスによる感染症です。脳心筋炎ウィルスや口蹄疫ウィルス、ヘルペスウィルス、豚生殖器呼吸器症候群ウィルス、悪性カタル熱ウィルスなどによるものやトキソプラズマ、トリパノソーマなどの原虫によるもの、ヘリコバクターやクリプトコッカス、コクシジオイデスなどの菌によって発生することがあります。

化学物質や放射線などの薬剤によるもの

心臓に対して悪影響を及ぼす薬剤や化学物質、放射線によっても心筋炎が引き起こされることがあります。抗腫瘍薬であるシクロフォスファミド・インターロイキンやヒ素や鉛、水銀などの重金属、また蛇やスズメバチ、サソリやクモの毒によっても発症することが分かっています。

交通事故などの外傷によるもの

発症例としてはそれほど多くありませんが、交通事故や高所からの落下などで心臓が激しく衝撃を受けた際にできる目には見えないちいさな傷が原因で炎症が生じてしまうことがあります。

免疫力の低下

老化とともに免疫力が低下し、ほかの病気に引きつられるような形で心筋炎を発症することがまれにあります。主として知られているのは膠原病からの合併症で、通常であれば免疫力が働いて防げているのに免疫力が低下することによって引き起こしてしまうことがあります。

ほかの病気との区別がつきにくい心筋炎の症状

心筋炎の症状には無症状のものから発熱などを伴うようなものまでさまざまな症状があります。よく見られる症状としては、発熱や風邪のような咳、食欲不振、動きが鈍くなる、散歩を嫌がるなどの症状です。それが悪化していくと呼吸困難や痙攣、また突然の失神を引き起こしてしまうこともあり不整脈などの症状が現れることもあります。最悪の場合ではうっ血性心不全を引き起こしてしまい、突然死というケースもあります。

これらの症状が分かっている猫の心筋炎ですが、こういった症状はほかの病気の症状とも判別しにくく、獣医師でもなかなか所見で心筋炎だと判断が難しい病気です。また心電図をとればかろうじて特徴が出ているといわれていますが、動物病院で心電図をとるところはほとんどなく基本的には生前診断は困難だとされています。

猫を心筋炎から守ってあげる対策

現在、心筋炎の治療としては投薬による治療が主となっています。ほかにも外科的手術方法もあるにはありますがなかなか生前診断が難しいということからも治療方法の選択肢が少ないのが現状です。投薬治療による治療はウィルスや菌などによる感染症の場合に行うことが可能で、病原体を特定したうえで抗ウィルス剤などを投与していきます。それ以外の場合では投薬治療は難しく、行えても不整脈を予防するために抗不整脈剤が投与される程度の治療になってしまいます。

また外科的手術では不整脈を治療すべく、心臓の拍動をうまくコントロールするために人工的なペースメーカーを埋め込むことがあります。しかしペースメーカーを埋め込むことで心筋炎自体の完治手術が行えるわけではないので外科的手術を行うケースはほとんどありません。愛猫が心筋炎にかかってしまった場合の対策としてなかなか施せる手段がないのが現状です。

まとめ

猫の心筋炎はその症状から診断もしにくければ、心筋炎だと診断されても治療が行いにくく、なかなか施す手がないのが現状です。また愛猫を心筋炎にさせないためには心筋炎の原因となる要因を取り払ってあげることが一番ですが、原因不明で発症してしまうこともありなかなか予防も難しくなっています。それでも普段から心臓への負担を減らす生活を送らせることが大事で、心筋炎だとわかった場合には安静に過ごすことが何よりも重要になってきます。

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