犬や猫はよくブルブルッと首を振ることがあります。シャンプーで体が濡れた後などに水を切るために首や体を振るのを見たことがある飼い主さんは多いでしょう。しかしながら、首振りを頻繁に行うようなら普通の状態ではないと考えた方が良いでしょう。頭を振る動作はさまざまな病気が原因になっている場合があり、放置すると深刻な事態に陥る可能性もあります。今回は猫が頭を振る動作に隠れた病気についてご紹介しましょう。
耳に異常がある
頭を振る症状の原因で最も多いのが耳に問題がある場合です。猫の耳は開口部が大きいため、免疫力が落ちると炎症や病気に罹りやすいと言われています。
耳ダニ
耳垢にダニが寄生する耳ダニ感染症になると猫は痒みから頭を激しく振ることがあります。頭を振ると同時に後足で耳を掻きむしり耳の後ろに傷がつくこともあります。耳を覗くと細かい耳垢が出ている場合もありますので耳の中を観察してみてください。放置すると感染症になる場合もありますので、病院で耳を掃除してもらい、抗炎症剤などを点耳してもらうと良いでしょう。
外耳炎・中耳炎
外耳炎は耳の入り口から鼓膜に至るまでの外耳に起きる炎症です。外耳炎は症状が悪化するとさらに奥まで進行して、中耳炎や内耳炎、耳血腫に発展する可能性があります。外耳炎、中耳炎などが悪化すると膿がたまって強い臭いがする場合もあります。
猫の耳の臭いを嗅いでみて腐敗性の臭いがするようなら明らかに炎症を起こしていますのですぐに病院に行きましょう。病院では耳垢などを洗浄したうえで、抗生物質や抗真菌剤などの点耳薬を処方してくれるはずです。
脳腫瘍や脳神経の障害
脳腫瘍や脳の神経疾患の影響で頭を振っている場合もあります。耳の奥にある前庭は平衡感覚やバランスを司る器官ですが、ここに疾患があると頭を激しく振ることがあります。また、事故で頭を打ったりしたことが原因で脳に損傷がある場合も頭を振ることがあります。
脳に障害がある場合は頭を振る以外にも首が傾いていたり、歩く際にフラフラしたりします。
執拗に頭を振っているなら、いずれにせよ病院へ
耳の疾患は放置すると炎症が拡がって脳にまで影響が及ぶ怖い病気です。猫が頭を振る動作を繰り返しているようなら早目に病院で診察を受けましょう。もし脳に疾患がある場合はMRIなどで疾患を特定しなければならず、場合によっては大きな病院へ行かなければならないかもしれません。いずれにせよ、猫の様子を注意深く観察し「おかしいな」と思ったら放置しないことが大切です。
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