被災地から犬を引き取りトレーニング。麻布大学の実習がスゴイ!!

神奈川県相模原市にある【麻布大学】の動物応用科学科で行われている実習が非常に興味深く、動物たちのためになるものなので、ご紹介します!

保健所から殺処分寸前の犬たちを…

2009年から動物応用学科で始まった『動物トレーニング実習』。神奈川県の保健所から殺処分寸前の犬たちを引き取り、大学内の施設で学生たちの実習パートナーとして約半年間のトレーニングを行います。 実習に参加する学生は、5~6名で1頭を担当し、スタッフさんの指導を受けながら、学生達自身が担当犬の問題点を抽出し、問題解決をするためのトレーニング計画を立て、毎日、朝、昼、夕方にそれぞれ30分~1時間のトレーニングを行います。トレーニングは毎日実施し、犬の状況によっては、定期的なトレーニングとは別にプログラムを作成するなどして、再社会化を完成させます。

トレーニングが終了した犬たちは里親希望者に譲渡します。実習中に里親の希望者を募集し、決定。その後は決定した里親希望者の生活スタイルに合わせたトレーニングを行います。譲渡後も密に連絡を取り、犬の状態を追跡調査しているそうです。

東日本大震災をうけて…

実習が始まった2年後に発生した東日本大震災。ここで問題になったのが被災した動物たちでした。避難マニュアルが浸透していなかったことや、誤った情報が流れたこともあり、家族と離ればなれになってしまったペットたちが数多くいました。突然のできごとに驚き、恐怖からパニックになって逃げてしまった犬や猫、飼い主さんの留守中にだったために離ればなれになってしまった子たちも数多くいました。

飼い主さんが見つからず保護された犬、行き場をなくし放浪の末保護された犬などさまざまな不安やストレスを抱えた犬たち。

そんな犬たちを引き取り、トレーニングのパートナーになってもらうことにしたのです。

心のケアもしっかりと。

たくさんのストレスや不安を抱えた犬たち。大学に迎えられた時には慣れない状況にビックリする子も少なくなかったそうです。

しかし、学生さんたちの愛情をうけ、トレーニングをがんばった犬たちはどんどんステキな笑顔を取り戻していきます!

HPの犬紹介には犬たちへの愛がこもった紹介文が。心からの愛情を注ぎ、保護された犬たちが新しい家族のもとでかわいがってもらえるようにトレーニングをしていく…意思のある動物を育てるのは容易なことではありません。被災し、心に傷を負った犬たちならなおさらです。学生さんたち、まわりでサポートしている人たちには本当に頭が下がります。

たくさんの犬たちが新しい家族の元へ!

2009年、2010年の実習で神奈川県の保健所から引き取られトレーニングを受けた子たちは全部で8頭。2011年からは被災地である福島県から犬の受け入れを開始し、2014年までで計46頭の犬たちをトレーニングしてきたそうです。実習が始まった2009年から2014年までにトレーニングを受け、里親さんに譲渡された犬たちは合計で54頭にものぼります。

住み慣れた土地を突然の震災が襲い、大好きな飼い主さんと離ればなれになってしまった犬たち…恐怖や不安と戦い、学生さんたちと一緒にトレーニングを頑張って生涯の伴侶となれるようなスキルを身につけました。

講義の一貫として被災地の動物たちを取り巻く環境について考えたり、実際に被災地から犬を引き取りトレーニング終了後には里親への譲渡を行う麻布大学。動物たちと真剣に向き合いトレーニングをする学生たち。私たち1人1人ももっときちんと被災地のこと、被災動物のこと、4年経った現在の状況などと向き合わなければいけません。

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