台所のガスコンロや暖房器具、アイロンなど、家の中には猫のやけどの原因になるものがたくさんあります。寒くなる秋から冬にかけては、暖房器具を使用する機会も多くなり、特に注意が必要です。
もし猫がやけどを負ってしまったら、どうすればいいのでしょうか。猫のやけどの症状と応急処置の方法に併せて、やけどをしやすい場面、治療法、予防法についてご紹介します。
猫がやけどを負うとどうなるのか
熱いものに触れることで皮膚が損傷を受けます。熱が皮膚の奥に及ぶほど損傷がひどくなり、その症状は軽いほうからⅠ度~Ⅲ度熱傷に分けられます。
- Ⅰ度熱傷
- 皮膚が赤みを帯びる程度
- Ⅱ度熱傷
- 水ぶくれができたり、皮膚がむけたりする
- Ⅲ度熱傷
- 皮膚の一番奥の層にまで熱傷が及んだ状態。傷口が白くなったり、逆に炭化して黒くなったりし、その部分の細胞が壊死することもある
また、やけどがⅠ度とⅡ度では痛みがありますが、Ⅲ度では神経も損傷してしまうため痛みを感じず、さらに毛も生えてきません。
やけどした皮膚は細菌感染を起こしやすく、広範囲に渡ると命を落とす危険性があります。
猫はどんな場面でやけどを負うのか
猫がやけどを負う危険は家の中の至るところに潜んでいます。台所だと、シンクに飛び乗ったときに体に熱湯がかかってしまったり、熱いやかんやフライパンに触れたりしてやけどを負います。
また、リビングではストーブやアイロンなど、ホットカーペットでも低温やけどを起こすことがあるので油断できません。女性が使うヘアアイロンも注意が必要です。高温に熱して使うため、猫が誤って触るとやけどを負います。
猫は被毛に覆われているのでやけどが分かりにくく、数日後に毛が抜け、皮膚が変色していて初めて気づくということも少なくありません。
猫のやけどに気づいたらまずすべきこと
まずやけどの患部を流水や濡れタオル、保冷剤などで冷やします。冷やすことで、熱傷が皮膚の下の層に及ぶのを防ぎます。ただし、体温を奪いすぎないように、ある程度冷やしたら動物病院で治療を受けましょう。
猫のやけどの治療法
やけどの深さによって湿潤療法や外科手術を行います。
湿潤療法は傷口を水で洗うだけで消毒せず、体の自然治癒力で傷を治す治療法です。傷口から傷を癒す浸出液(体液)が出てくるため、それを乾燥させないように被覆材で患部を覆います。このほうが傷口を消毒するより早く治癒します。
やけどがひどければ皮膚を縫い合わせる手術や、皮膚の移植手術が必要になることもあります。
猫のやけどの予防法
台所に猫を入れないようにする、ストーブ前にストーブガード(柵)を設置するなど、猫がやけどをしないよう、飼い主が気をつけてあげましょう。
猫自身、やけどに気づいていないことも…
ストーブに近づきすぎた猫の被毛が焦げてしまう。冬ではしばしば耳にすることですが、これは猫自身、焦げていることに気づいていないために起こります。
もしそのまま猫がぼんやりとストーブにあたり続けたら、皮膚まで損傷を受ける可能性もあります。ホットカーペットによる低温やけども同様です。
猫も飼い主も気づかないうちにやけどを負いかねません。冬場は特に注意しましょう。
コメントを残す