子猫のうちはとにかくよく食べてよく遊び、よく眠ります。しかし、そんな子猫の食欲や元気がなくなり、ふと気がつくとお腹が「満腹」状態よりもっとパンパンに膨れていたら…。
そんなときは、すぐに子猫のお尻を見てみましょう。もしお尻にあるはずの肛門が見当たらなければ、「鎖肛」という、肛門の先天的な奇形の可能性があります。
もし子猫が鎖肛だったら、どうすればいいのでしょうか。鎖肛の原因、症状、治療法をご紹介します。
鎖肛の症状
子猫の便が出ず、お腹が異様なほどパンパンになります。排便できないため、食欲がなくなり、吐くこともあります。さらに元気もなくなっていきます。
もしくは逆に、猫によってはお尻周りが便のようなものでいつも汚れている場合もあります。
鎖肛の原因
鎖肛はまれに起こる肛門の先天性の奇形です。生まれつき、肛門が次のいずれかの状態になっています。
- ・直腸は肛門部分までつながっているものの、肛門が開口していない
- ・直腸の端と肛門が離れてしまっている
- ・直腸が肛門ではなく、膣や尿道とつながっている
、
肛門が閉じていたり、たとえ肛門の穴が開いていても体温計の先が通らないくらい小さかったりするため、便を排泄できません。そしてお腹にどんどん便がたまっていきます。
直腸が膣や尿道とつながっている場合なら、それらの出口から便のようなものが漏れだして、いつもお尻周りが汚れてしまいます。
鎖肛の治療法
状態に合わせて外科手術で肛門を開口させます。
直腸が肛門とつながっているけれど、穴が開いていない場合は、手術で肛門を作ります。直腸が肛門に届いていない場合は、直腸の端を肛門まで引っ張ってきてつなげます。
一方、直腸が膣や尿道とつながっている場合は、2回の手術が必要です。まず直腸と肛門をつなげ、それから直腸と膣などとの開口部を塞ぎます。
ただ、新たに肛門ができても肛門括約筋が生まれつきない猫なら、便は垂れ流し状態になってしまいます。
鎖肛の予防法
先天性の疾患のため、予防はできません。
「肛門はあって当たり前」と思い込まないように
もし子猫の食欲がなく、それなのにお腹が異常なほどにパンパンに膨れていたら、鎖肛かもしれません。「肛門はあるのが当たり前」と思い込んで処置が遅れると、体力に乏しい子猫の場合、取り返しのつかないことになる可能性もあります。
もし鎖肛の疑いがあれば、動物病院で一刻も早く相談しましょう。
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