ネコはぽっちゃりしてるくらいがかわいいって、猫好きの間ではよく聞かれる話です。冬毛になると、もふもふ具合が増してたまらないですよね。しかし、ぽっちゃり猫の体内では、かわいいだけでは済まされない、病気のもとがじわじわと成長を続けているかもしれません。ここでは、ぽっちゃりの原因、危険性、解消方法についてご紹介します。
肥満の状況、危険性
ぽっちゃり猫の発生率は高く、世界的な報告を見ても2000年以降では25〜50%の猫がぽっちゃりといわれています。ぽっちゃりになると、2型糖尿病、下部尿路疾患、皮膚疾患、脂肪肝などを患いやすくなります。
2型糖尿病
インスリンが効きにくくなり、血糖値が下がりにくくなります。脂肪細胞が炎症を起こすことで、インスリンを効きやすくするホルモンの量が減少するために糖尿病を生じやすくなるようです。
下部尿路疾患
肥満することで炎症が起こりやすくなります。また、脂肪の蓄積のために尿管が詰まりやすくなることも原因となるようです。
皮膚疾患
太りすぎると首が背中やおしりに届かなくなります。グルーミングできなくなるため、不衛生となり、皮膚の炎症が生じやすくなります。
脂肪肝
肝臓は脂肪の燃焼や輸送を担う重要な器官ですが、脂肪蓄積が進むことでその能力が低下し、さらに脂肪蓄積が促進します。このような状態になると食欲不振となり、急激な体重減少によってガリガリになってしまいます。
このような病気を避けるため、猫は「太らせないこと」が大事です。
肥満の原因
猫の太りやすさには、猫がもともと持つ特性と飼育環境が影響しています。猫は肉食動物で、植物に多く含まれる糖分をエネルギーとするのが苦手です。カリカリに含まれる糖分は猫が十分消化できる量ですが、肝臓で燃焼されにくく、脂肪組織に蓄積しやすいと考えられています。また、去勢・避妊、加齢、食事(プレミアムフード)、置きえさ、多頭飼育により肥満になりやすくなります。野生猫は1日10〜20回食事をするのが普通で、ヒトの食事に合わせた1日1〜3回の食事回数は猫にとって少なすぎるのです。おなかがすきやすく、過食しやすくなります。
肥満の解消方法
低脂肪、低カロリー、ダイエット用のカリカリでも、与えすぎれば当然太ります。体重維持に必要な量のカリカリの8割を与えるようにしてください。急激に体重を減らすと脂肪肝を促進させますので、減らしすぎに気を付けてください。食事は以下の成分を含んでいることが好ましいです。
・高タンパク質35〜40%
・低脂肪8〜9%
・高い分岐鎖アミノ酸(ロイシン、バリン、イソロイシン)含量
・抗酸化成分(ビタミンC、E等)
食事回数を10〜20回にすると、より効果的です。
まとめ
猫は太らせないことが大事です。見た目はかわいくても、ぽっちゃりはかわいそうなことなんです。ずっと一緒にいられるように、猫と健康な毎日を過ごしてくださいね。
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