猫にとても多い『尿路疾患』。ストルバイト結石症などの予防と対策

猫が罹りやすい病気のひとつに尿路疾患があります。
猫の場合、特になりやすいのが膀胱炎とストルバイト結石症です。
ここではこれらの原因、症状、予防と対策について探っていきたいと思います。

猫に多い尿路疾患『膀胱炎』

膀胱炎は、膀胱内に細菌が繁殖することが主な原因です。
元気、食欲がない、トイレに何度も行く、尿量が少ないなどの症状がよく見られます。
病状が進むと血尿が出ることも多いです。

猫に多い尿路疾患『ストルバイト結石症』

ストルバイト結石症も膀胱内の細菌が原因であることが多い病気です。
ストルバイトはアルカリ状態で結晶化しやすく、酸性状態で溶解する、という性質を持っています。膀胱内に繁殖した細菌は、尿に含まれる尿素を分解しアンモニアを発生させてしまうのですが、このアンモニアが本来酸性であるはずの尿をアルカリ化させてしまい、これがストルバイト結晶、結石を作り出す原因になります。症状は膀胱炎とよく似ていますが、重症化すると尿が出なくなり命にかかわることもあります。

猫に多い尿路疾患の予防法

膀胱炎とストルバイト、どちらもやっかいな病気ですが、どうしたらこれらの病気を防げるのでしょうか?

免疫力の低下を防ぐ

まずは細菌を繁殖させないことです。膀胱内で細菌が繁殖してしまう原因はさまざまにありますが、そのひとつとして免疫力の低下が挙げられるでしょう。

免疫と言うと難しいことのように思えますが、そんなことはありません。
普段の生活をきちんと整えてあげること、まずはここから始めましょう。
ストレスがかかるようなことはないか、食事の質やバランスはどうか、一度見直してみてください。
また、寒い季節は免疫力が低下しやすいです。猫が暖かく過ごせる工夫もしてみてください。

適度な運動と適量の食事

運動後と空腹時には尿PHが酸性に傾きやすいので、飼い主さんが積極的に猫と遊んで運動させてあげること、おねだりされたからと言ってその都度食事やおやつをあげたりせず、一定時間空腹を保つようコントロールしてあげること。
これだけでも立派な予防になるでしょう。
ただし猫の場合、瞬発力はありますが持久力がありません。
長時間の運動には適さない生き物なので、激しい運動を長時間させることは控えてくださいね。

十分な水分摂取

そして特に大切なのが十分な水分摂取です。
猫は砂漠地帯が原産地、そのため水が少ない環境に順応できる体になっています。渇きに鈍感で自力であまり水を飲まない傾向が強く、尿量も少なめ、そのため尿が濃くなりがちです。
尿が少ないと膀胱内の細菌もなかなか排泄されず長くとどまることになりますし、濃い尿には有害物質も凝縮されてたくさん含まれているのです。
水分を十分にとって尿量を増やせれば、膀胱内の細菌や有害物質も速やかに排泄されるようになりますよ。

猫に多い尿路疾患は日常生活に予防のカギが!

猫の尿路疾患は、このようにちょっとした注意や工夫で予防することが可能です。日頃の生活習慣や食事を改めて見直してみてください。
また、膀胱炎やストルバイトと思われる症状が出たらすぐに病院へ行きましょう。軽度のうちなら投薬や点滴、食事療法で治療することができますが、重症化すると手術が必要になってしまうこともあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です