猫にとって怖い病気のひとつ、腎不全。
猫は他の動物に比べると腎臓が弱りやすく、そのため腎臓の病気にかかりやすいと言われています。ペットの保険を扱う企業の調査でも、ペット保険における猫の保険請求理由は腎不全が圧倒的に多いのです。
今回は、猫が腎不全を始めとする腎臓の病気になりやすい理由をわかりやすく解説します。
猫が腎不全になりやすい理由1:ネフロンの数が少ない!
ネフロンとは腎臓の機能単位のことで、糸球体や尿細管などを含む筒状の構造をしているものです。
ネフロンは血液をろ過してオシッコを作るという大切な役割を持っているのですが、猫のネフロン数は約40万個です。犬が80万個、ヒトは200万個あることに比べるとかなり少ないですよね。
ネフロンは一度壊れてしまうと再生できないせいもあり、もともとネフロンの数の少ない猫は腎機能が低下しやすいのです。
猫が腎不全になりやすい理由2:オシッコが凝縮されてしまう!
腎臓には一度作ったオシッコをもう一度血液中に戻す働きがあり、再吸収、凝縮と呼ばれています。
猫はアフリカリビアの砂漠地帯が原産地。水の少ない環境で生き抜くためにオシッコを強力に凝縮し、あまり水を飲まなくても生きていける体になっています。
そのため渇きに鈍感で、自分からあまり水を飲まないため、ますます凝縮されたオシッコが作られてしまうのです。
生きるために身につけた大切な機能ですが、オシッコを強力に凝縮することで腎臓に負担をかけてしまうことになるのです。
猫が腎不全になりやすい理由3:肉食動物だから!
タンパク質は体を維持するために欠かせない大切な栄養素ですが、代謝の過程において腎臓で処理する必要のある老廃物を作り出してしまいます。
猫は肉食動物なので、他の動物に比べてタンパク質をより多く必要とする生き物です。タンパク質を多く摂取することで老廃物もたくさん作られてしまい、腎臓への負担がそれだけ大きくなってしまうのです。
最後に
猫が腎不全になりやすい理由がわかっていただけたと思いますが、どれも猫の体の仕組みに由来するもので予防することが難しいものばかりです。
例えば腎臓への負担が大きいからといって、タンパク質をむやみに制限してしまえば必要な栄養素を十分に摂取することができなくなってしまいます。
少しでも腎臓への負担を減らすためには、良質で栄養バランスの良い食事と十分な水分摂取が何よりも大切です。
大切な家族である猫、元気で長生きしてもらうためにも食生活には十分気をつけてあげてくださいね。
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