モルモットを飼っていて気をつけなければならない病気のひとつが下部尿路の疾患です。
モルモットのオシッコの回数が増えていたり、急に衰弱してきたりしたら、膀胱炎や尿路結石の可能性があります。
気付かずに放置すると痛みが激しくなったり、血尿になったりする可能性がありますので、一刻も早く病院に行ったほうが良いでしょう。
今回は、モルモットの下部尿路の疾患について、ご紹介しましょう。
モルモットの膀胱炎、尿路結石に罹った時の症状は?原因は何?
モルモットの尿は通常でもpH9とアルカリ性に大きく傾いていて、カルシウムを多く含むため色も白濁しています。
人間や犬、猫の尿はどちらかというと弱酸性に傾いていますので、尿の質が逆なのです。モルモットの場合、膀胱炎や結石ができるとモルモットの尿は色の付いた白濁尿になります。
尿道結石には大きく分けては2種類のタイプがあります。ひとつが中性からアルカリ性の尿で結晶化する結石で、炭酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、ストラバイト結石などがあります。もうひとつは、尿が中性から酸性に傾いた時にできやすいシュウ酸カルシウム結石で人間が罹りやすい結石はこちらだといわれています。
モルモットの尿は元々、アルカリ性ですので、アルカリ尿でできる結石になることが多く、中でも炭酸カルシウム結石に罹る確立が高いと言われていますが、実際に結石を調べると複数の種類の結石が発見されることも多いようです。
また、高齢のモルモットに罹患の可能性が高く、雄に比べると雌の方が結石、膀胱炎に罹る確立が高いと言われています。
膀胱炎、結石の治療はどのようにするの?
尿検査で潜血と尿のpHをチェックすると同時に、レントゲンやエコー検査で結石があるかどうかを診断します。
膀胱炎の場合は、抗生物質を投与し、潜血があるようなら止血剤などが処方されます。
結石がある場合は、結石の種類や大きさ、できている場所によって薬剤投与をするか外科手術によって取り除くかを決めますので、獣医さんの指示に従いましょう。
膀胱炎や結石を予防するためにはどうしたら良いの?
モルモットの結石には、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムが大きく関わってきます。
モルモットがカルシウム過多にならないよう、カルシウムの多いフードやほうれん草などの野菜はなるべく与えないようにします。
また、モルモットに与える牧草は、なるべくカルシウムの少ないイネ科のチモシー中心にします。
マメ科のアルファルファは栄養分が高く、モルモットの嗜好性は高いようですが、カルシウム分が多いので、大人のモルモット、特に高齢のモルモットには不向きだと言われています。
また、ビタミンC欠乏症はモルモットに起こりやすい疾患のひとつですが、ビタミンCが不足すると結石になりやすいので、ビタミンC不足にも気をつけます。
また、モルモットは比較的よく水を飲みますので、新鮮な水をいつでも飲めるようにしておくことが大切です。
尿の疾患は、発見や治療が遅れるとモルモットに大きな負担と痛みをもたらします。
モルモットは床材に牧草や木片チップを使うことが多いため、オシッコの色が分かりにくい場合があります。
尿をチェックするためにもある程度の年齢になったら、牧草やチップの下に尿の色が見えやすい尿吸収シートを敷くと良いでしょう。
また、モルモットの様子を常に観察し、オシッコの回数が増えていないか、逆に量が減っていないかを見ておくことが大切です。
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