抗酸化物質として生きていくうえで欠かせないビタミンC。
多くの動物は肝臓でビタミンCを生成することができますが、人間を始めとする霊長類やコウモリ、そしてモルモットは体内でビタミンCの生成ができません。
そのため、ビタミンCが足りなくなると、さまざまな症状が出ることがあります。
今回は、モルモットのビタミンC欠乏症とその予防法についてご紹介しましょう。
ビタミンC欠乏症とはどんな病気?
ビタミンC欠乏症とは、その名の通りビタミンCが足りなくなり、体調に支障をきたす病気のことです。
モルモットはD-グルコースからアスコルビン酸(ビタミンC)を生成するのに必要な酵素L-グロノラクトン酸化酵素を持っていないため、体内でビタミンCを合成することができません。
このため、モルモットは常にビタミンCを含有する食事を必要としているのです。
モルモット用のフードを与えていれば、通常はビタミンCが添加されていますので、欠乏症になることはまずありません。
しかし、他の動物のペットフードを2週間以上代用した上に、ビタミンCを含む野菜が足りなかったりすると、欠乏症が起こる可能性が高くなります。
また、ストレスや疾患を持っていたりするとビタミンCの必要量が増えますので、モルモットフードを与えていても欠乏症になることもあります。
ビタミンCってどんな役割があるの?
ビタミンCは実にさまざまな働きをもつ栄養素です。
コラーゲンの生成、ストレスに対抗するためのホルモンの生成、免疫機能の強化、傷の回復、アレルギー予防、癌の予防など…これらすべてにビタミンCの働きが影響しています。
ビタミンCがどれだけモルモットの体にとって大切なのか分かりますね。
ビタミンC欠乏症になるとどんな症状が出るの?
ビタミンC欠乏症になると、食欲不振、被毛の質の低下、鼻水、骨の変形などが見られるようになります。
また、口内においても歯茎や舌が白っぽくなったり、不正咬合や出血が見られたりもします。
症状が悪化すると痛みを伴い、歩行が困難になる場合もありますので、早めに発見し、食生活を改善することが大切です。
ビタミンC欠乏症の治療は? 診断方法は?
また、ビタミンC欠乏症の可能性で病院に行く場合は、事前にモルモットが食べていた食事について調べ、獣医さんに情報提供するようにしましょう。
症状によっては、レントゲンで、軟骨部分や骨端の異常を診て判断しますが、普段の食事の情報は診断の助けになるはずです。
治療にはビタミンC(アスコルビン酸)の投与を行いますが、症状が重く痛みがある時には痛み止めや点滴を行う場合もあります。
モルモットの飼い主さんは、モルモットがビタミンC欠乏になるだけで病気になることを理解し、食生活には充分に気を付ける必要があります。
ビタミンC欠乏症は初期の段階では、症状が出にくく、気がつかないうちに症状を悪化させる場合もあります。
普段からモルモットの動きや体の様子を観察し、異常を発見できるよう心がけましょう。
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