猫の肥大型心筋症はこんな病気
「心筋症」とは心臓の筋肉に異常が生じ、本来の働きをすることが出来なくなってしまう病気です。人にとっても馴染みのある病気ですが、猫も発症するリスクが高い病気でもあります。
心筋症には
- 肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- 拡張型心筋症
- 分類不能型心筋症
- 不整脈源性右室心筋症
といったいくつかの種類がありますが、猫が発症する心筋症のなかでは「肥大型心筋症」が全体の50%~60%を占め圧倒的に多いのです。
肥大型心筋症になると、体に様々な不調が発生し結果的に死を招く恐れもあるので、飼い主がしっかりと知っておかなければならない病気です。
猫の肥大型心筋症の症状
肥大型心筋症を発症してしまっても「数年間は無症状」であることが多いようです。初期症状はほとんどみられないため、発見は遅れがちになる傾向があります。
症状が進行すると
- 運動をしたがらない
- ご飯をしっかり食べるのに、痩せてくる
- 呼吸音が異常になる
- 呼吸困難
- 歩行異常
といった異常が確認されるでしょう。特に「呼吸困難」などの症状は、肥大型心筋症によって「肺水腫」「胸水」といった病気が発生している疑いがあります。
放置していても自然治癒することはまずありませんので、病院で治療してもらうことが必要になるでしょう。
この場合、歯茎が青白くなる「チアノーゼ」というサインも見られるので、見逃さないようにしましょう。
また血流が弱くなることにより、全身の血管のあちこちに「血栓」と呼ばれる血の塊が出来てしまうので注意が必要です。
猫の肥大型心筋症の原因
メジャーな病気の一つであるにも関わらず、肥大型心筋症を始めすべての心筋症の原因ははっきりとは分かっていません。
メインクーンなどの大型の猫に発症しやすい傾向があるので、遺伝による発生の可能性も考えられています。
猫の肥大型心筋症の治療
無症状の場合はアンギオテンシン変換酵素阻害剤といった薬を投与することによって病気の進行を防ぎます。
無症状の時点で治療を開始できれば、猫が本来の寿命をまっとうできる可能性がとても高くなるでしょう。
反対に「呼吸困難」や「後ろ足の麻痺」といった肺水腫・血栓の発生が疑われる症状がみられるときは、予後はかなり厳しくなるでしょう。
再発もしやすい病気なので、とにかく無症状のうちに治療することが大切です。
予防法はありません。定期的な検査が必要です
原因不明な心筋症を予防する手立てはありません。早期発見・早期治療が一番重要なので、定期的な検査をして症状が出ていないうちに治療できるようにしましょう。
コメントを残す