猫ひっかき病・・・あまりにも直球な名前でユーモアさえ感じますが、この病気を猫だけの病気と勘違いしている人も多いかと思います。
実は、猫ひっかき病は、むしろ猫に引っ掻かれた人間に発症する病気なのです。
今回は、猫ひっかき病について、ご紹介しましょう。
猫ひっかき病ってどんな病気?
猫ひっかき病は、バルトネラ・ヘンセレという病原菌をもった猫に噛まれたり、引っ掻かれたりして、感染した場合に発症する病気です。
この菌はノミを媒介して猫から猫へ感染すると言われていて、ノミが被毛などに残した糞を猫がグルーミングして舐めることで猫の口に入ります。
人間へはグルーミングで汚染された爪で引っ掻かれたり、噛まれたりすることで感染します。
人間に現れる症状は?
一番、顕著なのはリンパ節の腫れでしょう。引っ掻かれて感染した後3日~10日位の初期段階は、傷ついた患部に虫に刺されたような赤い腫れが出ます。
その後10日目位からリンパの腫れが現れ始めます。
手を引っ掻かれた場合は頸部や脇の下のリンパ節、足を引っ掻かれた場合は鼠蹊部のリンパ節が腫れあがり、鶏の卵ほどの大きさのコブになる場合もあります。
多くの場合、微熱、倦怠感、関節痛などがありますが、一般的には自然に治癒すると言われています。
しかしながら、場合によっては、リンパ節の腫れから脳炎、心内膜炎などに発展する場合もありますので、早目の治療が必要です。
猫に症状はあるの?
この病気は猫に感染しても、ほとんど症状が出ないと言われています。まれに発熱、食欲不振などがあるようですが、こうした症状は他の病気と間違われがちで、感染の把握を難しくしています。
また、感染してから通常は2ヶ月~3ヶ月は保菌状態が続き、場合によっては2年近くも感染状態でいることもあるようです。
猫ひっかき病の治療方法は?
感染した猫にも発症した人間にも抗生物質が投与されることが多いのですが、人間の場合は劇的な効果はないようです。このため猫ひっかき病は完治するまで数か月掛かることもあります。
猫の場合は抗生物質の投与で菌血症(血液の中に菌がある状態)をコントロールできるようですが、完全な滅菌は難しいと言われています。
猫ひっかき病の予防方法は?
猫の感染が把握できていれば予防も多少は楽ですが、猫の症状は把握しづらいため、なかなか難しいのが問題です。
飼い主さんにできる最低限の予防方法として、ノミの駆除を徹底し猫を清潔にすること、猫の爪は常に切るようにすること、口移しで食べ物を上げるなど過度な猫との接触は避けることを心掛けましょう。
猫ひっかき病は、派手な傷でなくても感染する可能性があります。
リンパ節が腫れるなどして病院に行く場合は、猫を飼っていること、猫に引っ掻かれた(可能性がある)ことなどを医師に伝えれば診断の助けになりますので、必ず伝えるようにしましょう。
コメントを残す