猫のIBDって何のこと?猫の炎症性腸疾患の症状、原因、治療方法について

IBDという病名を聞いたことがありますか?比較的、最近出てきた病名ですのであまり馴染みのない飼い主さんも多いのではないでしょうか?

この病気は治療可能ではありますが、完治させる方法はなく、長い期間、病気と向き合う必要があると言われています。今回は、猫のIBDについてご紹介しましょう。

猫のIBDとは?

IBDとは「Inflammatory Bowel Disease」の頭文字で日本語の正式名は炎症性腸疾患です。

腸に起きる慢性の炎症の総称ですが、腸管におけるアレルギー疾患、免疫介在性の疾患と考えれば良いようです。

免疫に関連するリンパ球や好酸球などの細胞が腸管を浸潤することで腸の粘膜を損傷し、それが潰瘍などになって、嘔吐や下痢、血便、食欲不振などを引き起こします。

これらの症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのもIBDの特徴です。発症は高齢の猫に多いと言われていますが、ごくたまに子猫での発症も報告されているようです。

IBDの原因は?

IBDの原因ははっきりとは解明できていません。

原因は遺伝、食物アレルギー、化学物質、腸内細菌の状態、ストレスなどあらゆるファクターが考えられているため、原因の絞り込みが難しく根本的な治癒に至りにくいのが現状です。

IBDの治療方法は?

先程もご説明した通り、IBDは原因の特定が難しいため、直接的な治療方法がありません。よって治療は、症状への対症療法で、起きている症状を少しでも和らげ、猫の負担を軽くしてあげることに終始します。

この対症療法を続けることで、栄養不良や他の臓器へのダメージ、患部の癌化を防ぐこともできますので、早目の治療は大切です。

対症療法

対症療法は、食事療法と薬物療法で行われます。食事療法は、腸の疾患の原因となっている食品、食材があれば、それを探し出して回避するのが一番良いでしょう。

猫が下痢や血便を起こした直前に食べたフードや使われている食材を検証し、疑わしいモノを避けて様子をみるのはひとつのアプローチでしょう。

しかしながら、例え原因が食事だとしてもアレルゲンとなっている食物が多岐に及んでいる場合、原因の究明は困難です。

そのような場合、食事療法は、低脂肪で繊維質の少ない食事など、腸に負担の少ないフードにすることで疾患から腸を守る方に舵を切り替えます。

薬物療法

薬物療法では、ステロイドによる治療を選択する獣医さんが多いようです。ステロイドの投与については、ためらう飼い主さんも少なくないと思います。

しかし、この病気の場合、進行してからですと癌化や肝臓への影響もあり、症状が進むと死に至る場合もありますので、ステロイドを使用するなら早目に投与すべきでしょう。

ステロイド(プレドニゾロン)の場合、効果は最初の1週間~2週間で出ると言われています。

この期間を過ぎても期待していた効果が出ない場合は、獣医さんと治療方針を相談した方が良いかもしれません。

最後に

IBDは完治の難しい病気ではありますが、コントロールできれば長生きも可能です。

いずれにせよ、飼い主さんと獣医さんとでよく話し合い、協力し合って病気に向き合うことが大切です。

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