猫の形質細胞性足皮膚炎はこんな病気
猫の形質細胞性足皮膚炎とは別名「形質細胞性足底皮膚炎・肉球皮膚炎」とも呼ばれ、その名前のとおり、足の底…つまり肉球に発症する病気です。
発症すると肉球が腫れ、痛みから歩行が困難になってしまいます。命に関わる病ではありませんが、猫の日常に支障をきたしてしまうので注意が必要な病気です。
猫の形質細胞性足皮膚炎の症状
通常の猫の肉球はプニプニとしていて「弾力がある柔らかさ」です。形質細胞性足皮膚炎を発症してしまうとスポンジのように弾力のない柔らかな感触になってしまいます。
一般的には前足の片方だけに発症することが多い傾向がありますが、もちろん他の足に発症するケースもあります。
初期症状は肉球の表面がカサカサになり、鱗のような外見になってしまうことくらいです。
放置しておくと潰瘍ができると、痛みや出血、二次的に細菌などの感染が起こってしまうこともあります。さらに悪化すると、
- 腫れがひどくなる
- 足を引きずる
- 運動を極端に嫌がる
といった症状があらわれます。運動不足によって肥満になってしまいやすくなるので、症状が悪化する前に治療することをおすすめします。
猫の形質細胞性足皮膚炎の原因
猫の形質細胞性足皮膚炎の原因は、よく分かっていません。
アレルギーなどの免疫系が関与しているとも、猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスの感染が関連している場合もあるとも言われていますが、はっきりと判明されていないのが現状です。
猫の形質細胞性足皮膚炎の治療
抗生物質を投与して治療します。なかでもドキシサイクリンという抗生物質が有効とされています。
投薬期間は少なくとも1カ月程度です。炎症がひどくなり潰瘍になってしまっている場合は、外科手術しなければならないこともあります。
反対に症状が軽度であれば、自然に治癒することも珍しくありません。
肉球の異常を見つけたら検査をしましょう
形質細胞性足皮膚炎の予防法はありません。早期発見・早期治療が重要になるでしょう。
また肉球の異常な腫れは形質細胞性足皮膚炎だけではありません。抗生剤を投与した副作用や、刺激物に触ったことによる接触性皮膚炎、線維肉腫という腫瘍も肉球の腫れの原因とされています。
これらの要因を飼い主だけで判別することは不可能なので、肉球の異常を発見したら、なるべく早く動物病院を受診することをおすすめします。
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