猫の脂肪肝はこんな病気
脂肪肝とは人でもみられる病気で、肝臓に脂肪が溜まり正常な機能が損なわれてしまいます。別名「肝リピドーシス」とも呼ばれます。
代謝・解毒・胆汁の分泌など肝臓は数百にもおよぶ役割を持っている臓器で、その一部が欠けてしまうだけでも様々な不調があらわれてしまいます。
また症状も発見しづらく、治療も遅れがちになる傾向があるので、普段から飼い主が気を付けてあげなければならない病気の一つです。
猫の脂肪肝の症状
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど病気による症状があらわれにくい特徴があります。
脂肪肝も例外ではありません。
「食欲不振」「黄疸」「下痢・便秘」「嘔吐」「痙攣等の神経症状」などの症状があらわれるときは、脂肪肝がかなり進行してしまっていることが多いです。
また脂肪肝はより重大な病気である肝硬変の入り口でもあります。
肥満な猫が急にご飯を食べなくなり、黄疸が発症。その後数日で死亡してしまったという事例も珍しくはありません。
猫の脂肪肝の原因
肝臓に本来溜まるべきでない脂肪が溜まってしまうのは、脂質代謝になんらかの原因で異常が起こっているからです。
その原因は「アルギニン不足」「アポタンパクの不足」といった本来であれば肝臓の働きに必要な要素が欠けていること。「他の臓器の機能不全や、基礎疾患」によるもの。
さらに「急なダイエット・環境の変化」など猫の内臓・精神的負荷によるものなど様々です。
また肥満体型の中年の猫が発症しやすい傾向があります。
猫の脂肪肝の治療
支持療法・対症療法が主な治療になります。
基礎疾患や肥満が原因の場合は、そちらの治療も併せて行いますが治療が少しでも遅れると手遅れになってしまうケースが非常に多いです。
脂肪肝の治療は発症してから7日間がヤマとされています。
実際、脂肪肝の死亡数は最初の7日間が突出しており、より迅速に初期治療を行うことが出来るかが猫の生死を分けていると言っても過言ではありません。
まとめ:肥満対策と定期検査を徹底しましょう
脂肪肝は治療が少しでも遅れると死のリスクが高まるうえに、初期症状は発見しづらいという非常に困った病気です。
まずは脂肪肝と直結しうる肥満体型に愛猫がならないよう気を付けましょう。
ただしむやみやたらで急激なダイエットは逆に肝臓に負荷を与え、脂肪肝になってしまう可能性を高めてしまうので注意が必要です。
適度なダイエットと定期的に動物病院での検査を受け、脂肪肝を予防しましょう。
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