猫のヘモバルトネラ症はこんな病気
人は生活の乱れや、体調不良などにより貧血を起こすことは珍しくありません。ヘモバルトネラ症とは別名「猫伝染性貧血」という猫特有の病原体による感染症なのです。
通常の貧血はそれほど危ない症状ではありません。しかしこのヘモバルトネラ症による貧血症状は、猫が死亡してしまうこともある危険な病気なのです。
猫のヘモバルトネラ症の症状
初期症状は「歯茎が白くなる」「運動したがらなくなる」といった通常の貧血症状が起こります。
ヘモバルトネラ症の原因となる「ヘモバルトネラ・フェリス」には、小型・大型の二種類があり、小型は上記した症状に「発熱」「食欲不振」などが加わります。
ただしあまり重症化することはなく、命を落とす危険は少ないでしょう。
注意すべきなのが大型のヘモバルトネラ・フェリスによる発症です。
貧血症状が悪化しやすく、「黄疸」や「呼吸困難」などより重篤な症状になってしまう恐れがあるのです。
加えて「猫白血病ウイルス」「猫免疫不全ウイルス」といった感染症も引き起こしてしまうこともあります。
大型のヘモバルトネラ・フェリスによる貧血を放置しておくと、感染した猫のおよそ3割が死亡してしまうというデータもあります。
飼い主だけではヘモバルトネラ寄生虫の大小の判別はつかないので、動物病院で診察を受けることが必須でしょう。
猫のヘモバルトネラ症の原因
症状の項目でも説明しましたが、ヘモバルトネラ症はヘモバルトネラ・フェリスという寄生虫が猫の「赤血球」に寄生することで発症します。
ヘモバルトネラ・フィリスが赤血球に付着すると、その赤血球は「異物」とみなされ免疫系統に攻撃・破壊されてしまい結果的に貧血を起こしてしまうのです。
猫のヘモバルトネラ症の感染ルート
実はヘモバルトネラ・フィリスがどのようにして猫の赤血球に取り付くのかはっきりとわかっていません。
ただ猫同士の喧嘩による血液感染や、ノミやダニによる感染が可能性として挙げられています。
猫のヘモバルトネラ症の治療
完全に治療することは難しいでしょう。初期の頃から抗生物質を投与する投薬治療を中心に行えば、症状はなくなることがほとんどです。
しかし病原体自体は完全に駆逐されず、以前感染したままの「キャリアー」状態になってしまうことが多いのです。
まとめ:元気がなければ病院へ
貧血症状は注意しておかなければ分かりにくいことが多いようです。
歯茎の色のチェックはもちろん、愛猫の雰囲気なども注意深く観察することがヘモバルトネラ症の早期発見・早期治療につながるでしょう。
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