膿胸ってどんな病気?
膿胸とは、読んで字のごとく「胸に膿みが溜まってしまう」状態のことです。正確には胸腔という肋骨の内側。肺や心臓などが入っている空間に、膿みが溜まってしまうのです。
すぐに命に関わる危険はありませんが、発見しにくい病気なので悪化させてしまいがちな傾向があるようです。
治療が遅れれば手遅れになることもあるので、あらかじめ膿胸の症状について知っておくことが必要です。
膿胸の症状
初期症状
- 39度~40度前後の発熱
- 食欲低下、体重減少
- 胸に痛み(触られるのを嫌がる)
- 運動をしたがらなくなる
といった症状がみられます。これらの症状は普段どおりにしていると、なかなか気付いてあげられることが難しいので、動物病院に運ばれてくる猫は症状を悪化させている状態が多いようです。
進行した症状
- 脈が弱くなる
- 呼吸困難
- 咳
- 脱水
- チアノーゼ
症状が悪化すると上記のような症状があらわれます。どれも重篤な症状ですが、特に「呼吸困難」には要注意です。
肺が多量の膿みに圧迫され、思うように呼吸できない状態ですので、「ぜー、ぜー」と呼吸が荒くなっていたらすぐに病院へ連れていきましょう。
一刻を争う事態になっている可能性があります。
膿胸の原因
- 膿胸を引き起こす原因は明確にはなっていませんが、「細菌」により胸腔に膿みが溜まる。という説が特に有力なようです。
- 何らかの理由(尖ったものの誤飲・誤食など)で体の内部が傷つく。
- 肺炎、歯肉炎、歯石など他の部位の疾患。
- 猫や他の動物との喧嘩による外傷。
などの原因から胸膜が細菌に感染し、胸の中に膿みが溜まってしまいます。
その中でも特に「猫や他の動物との喧嘩による外傷」には注意しましょう。完全室内猫と比べると外に出ている猫の方が、圧倒的に来院率が高いという情報もあります。
膿胸の治療法
胸の中を洗浄すると同時に、膿み止めの抗生物質を投与します。二週間以上の通院・入院が必要になるでしょう。
時間や手間もさることながら、治療が遅れてしまうとそれだけ予後も悪くなってしまうケースも少なくありません。猫が衰弱してしまう前に治療しなければならないでしょう。
愛猫を膿胸にさせないために
膿胸の原因は非常に沢山あり、完全に予防するのは難しいでしょう。
しかし【膿胸の原因】でも説明したように、外傷による感染が原因のケースが多いので、出来るだけ屋外へ愛猫を出さないことが予防に繋がるでしょう。
合わせて肺炎の予防や愛猫の口内環境への配慮も気を付けておきましょう。
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