モルモットはとてもデリケートな動物です
モルモットはハムスターとよく比較されることが多いのですが、その際「ハムスターの何倍も体が大きいのだから、病気になりにくくて、丈夫だろう」という誤った認識をされることがあります。
実際、モルモットはハムスターに負けず劣らずデリケートな動物です。
また小型動物によくある「病気を隠そうとする」習性があるため、飼い主が気を付けていなければ発見したときには既に手遅れ…。という状況になりがちです。
今回、モルモットが特に多い歯の病気「不正咬合」についてまとめたので、ぜひご参考下さい。
不正咬合ってこんな病気
不正咬合は歯のかみ合わせが悪くなる病気です。人の飼育環境下ではかなり起きやすく、モルモットが最も注意すべき病気の一つです。
「たかが歯でしょう」と軽く考えられがちですが、一度発症してしまうと治療が困難で、悪化するとエサを食べることができなくなり、衰弱して死んでしまうこともある病気です。
不正咬合の症状
モルモットは前歯が上下合わせて4本。臼歯が16本生えています。それぞれモルモットが死ぬまで伸び続けるという特性をもっています。
不正咬合を発症し、かみ合わせが悪くなると伸びた歯がモルモットの口内を傷つけてしまいます。そうなるとペレットや野菜などの固い食べものを避けるようになり、柔らかい食事ばかり取るようになってしまいます。
本来、固いモノを食べることによって歯が自然にすり減って、最適な長さに調節されているのですが、柔らかいものばかり食していると歯はますます伸び続け、症状は悪化の一方を辿ることになってしまいます。
その結果、まともにご飯を食べられなくなって栄養不足に陥ってしまいます。また傷ついた口内から細菌が体内に侵入。感染症で死亡することもあります。
不正咬合の原因
繊維質が含まれている餌の摂取不足が原因と指摘されています。歯を正しく摩耗しなければ、歯や歯茎が異常に成長してしまうのです。
また高齢になればなるほど、不正咬合を発症するリスクが高まるでしょう。
不正咬合の治療
一般的にモルモットの不正咬合の治療はかなり困難とされています。
発見が遅れれば手が付けられないことが多く、また初期症状で発見したとしても、歯をペンチでカットできる技術を持つ獣医さんは少なく、手術料もかなり高額(2万円~10万円)です。
安楽死を選択する飼い主の方もいるようです。
不正咬合は予防が基本です
治療が難しいぶん不正咬合は予防に力を入れなければいけません。普段から「牧草」などの繊維質の多い食べ物を過不足なく与え、ビタミンCも十分に摂取させることで不正咬合を予防することが可能です。
コメントを残す