最近は室内飼いが増えて、猫自体の感染症は減る傾向にありますが、逆に猫との接触時間が増えたため、猫の病気が人間に感染するリスクは減っていません。
猫を可愛がりたい気持ちは当然ですが、自分の健康も守ることも大切。猫を飼うのであれば、猫からうつる病気の種類や感染ルートなどについて正しい知識をもち、病気にならないよう対処することが大切です。
今回は、猫から病気をもらわないための注意点をご紹介します。
猫からうつる病気にはどんなものがあるの? 症状は?
猫ひっかき病
バルトネラ症とも呼ばれます。バルトネラ菌を保持した猫に噛まれたり、舐められたり、引っかかれたりした時に感染します。ネコノミを介して感染する場合もあります。
感染した後、5日~2週間位で症状が出ます。軽症の場合は虫刺されに似た跡ができるだけですが、症状が重くなると発熱、悪寒、倦怠感などが出てきます。
症状が風邪に似ているため、風邪と思い込んでいるうちに重症化することもあります。通常、元気な大人は自然治癒しますが、場合によっては脳炎や眼の炎症などを引き起こします。
パスツレラ症
パスツレラ菌を保持した猫に噛まれたり、舐められたり、引っかかれたりした時に感染します。飛沫感染でもうつると言われています。
皮膚の傷から感染した場合は傷の腫れ、化膿などの症状があり、飛沫感染の場合は、副鼻腔炎や風邪に似た症状を発症します。
トキソプラズマ症
トキソプラズマ原虫が原因の感染症です。猫だけでなく、鳥や家畜などもトキソプラズマを保有していますが、一般の家庭では猫が感染源になることが多いため、猫からうつる病気として知られています。
感染している猫の糞の中の原虫がほこりなどと共に口から入ることで感染、リンパ節炎を引き起こしますが、感染に気付かない人もいるようです。
妊婦が感染すると流産や生まれた子供が運動障害、眼の疾患にかかると言われています。
クラミジア感染症
クラミジアは生きた細胞の中に生息する生物で感染猫の目やに、鼻水に接触することで感染します。猫の症状は結膜炎、鼻炎、気管支炎、肺炎などで、場合によっては死に至ることがありますが、人間の場合は結膜炎を引き起こします。
猫からの感染を防ぐにはどうしたら良いの?
実は猫からの感染は、そんなに多く報告されていませんし、飼い主さんの心がけ次第で防げることも少なくありません。
猫を飼う場合、トイレ掃除の後は必ず石鹸で手を洗う、猫に口移しで食べさせない、猫の爪は常に短く切っておく、同じ布団に寝ないなどを心がけましょう。
猫からの感染症は他の病気と似ていて、判断が付きにくいのが特徴です。猫からの感染症に近い症状が出て病院へ行く際は、病院の先生に猫を飼っている事実を伝え、感染症の可能性を含めて診断してもらうと良いでしょう。
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