粒が小さくて食べやすいぶどう。自分が食べている時に犬がそばに来たらついあげてしまいそうですが、その行為、実は犬の命を奪う可能性があります。ぶどうは犬にとって中毒になる危険性のある果物。今回は犬にとってのぶどうの危険性について取り上げます。
ぶどうを犬にあげるのは止めて!
たまねぎやチョコレートが犬にとって危険であるのは知られていますが、ぶどうが犬にとって危険だということを知らない飼い主さんは意外に多いようです。犬はぶどうを摂取すると中毒を起こすことがあります。特にぶどうの皮部分には中毒になりやすい成分が含まれていると言われています。
生のぶどうだけでなく干しブドウやレーズンにも同様に中毒の危険性がありますので、レーズンクッキーやレーズンパイ、レーズンアイスクリームなども食べさせないよう注意が必要です。
確かなことわかっていませんが体重1キロあたり、生のぶどうなら30g、レーズンの場合は10g~30g程度が致死量だという説もあります。致死量にはもちろん個体差がありますので、この数値は絶対ではありません。「少しなら食べさせても大丈夫では?」などという思い込みはやめましょう。
ぶどうを食べるとどんな症状が出るの?
それでは一体、犬がぶどうを食べるとどんな症状が出るのでしょうか?過去、日本では中毒から急性腎不全を引き起こしたという例が報告されています。急性腎不全は短時間に急激に症状が悪化し命に危険が及ぶ病気です。実際に海外では数例ですがぶどうを食べたことが原因で急性腎不全になり死亡した例もあるようです。
ぶどう中毒になると食べてから2時間~3時間で嘔吐や下痢が見られ、食欲が減退してぐったりし、元気がなくなります。
重度の中毒では腎臓が破壊されて急性腎不全が起こり、尿が出なくなったりむくみなどの症状が表れたりします。この場合、毒素を体外に排出することができず、体中を有害物質がめぐってしまう尿毒症になる可能性も。尿毒症になってしまうと最悪の場合、死に至るケースもあります。
嘔吐や下痢は毒素を体外に出そうとする体の自然な反応ですが、腎臓が毒素を排出できなくなると事態は深刻です。愛犬が間違ってぶどうやレーズンを食べてしまったら、しばらく犬の近くにいて様子を観察し、少しでも異常が認められたら獣医師に相談しましょう。
ぶどうの入った食品はテーブルの上に放置しない
ぶどう中毒のトラブルを防ぐためにはぶどうはもとより、ぶどうの入った食品をテーブルの上に放置しないことが大切です。ぶどうパンやレーズンクッキーなどのスィーツはついテーブルの上に置きっぱなしにしてしまいがち。犬がうっかり食べてしまわないよう飼い主さんが注意することが大切です。
家族や家に遊びに来る友達とも「犬はぶどうを食べると危険」だということを共有して周囲の人みなで気をつけていくことが大切です。
ぶどうは犬にとっての危険な食べ物だと知っておこう
少し前まで、犬にとってぶどうが危険だということはあまり知られていませんでした。そのため、飼い主さんに自覚がなく、病院でも下痢や嘔吐、腎不全の原因が分からないまま治療するケースも少なくありませんでした。飼い主さんは愛犬の命を守るためにも「犬にぶどうは危険」であることを覚えておきましょう。
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