【獣医師監修】犬ははちみつを食べても大丈夫?犬にはちみつをあげるのは止めましょう

甘くて美味しいはちみつ。砂糖よりは体に良さそうですし、栄養分もあるので犬に食べさせたいと感じる飼い主さんも多いかもしれません。ですが、果たして犬にはちみつをあげても良いのでしょうか?今回は犬にはちみつを食べさせても良いのかどうか調べてみました。

犬ははちみつを食べても良いの?

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はちみつはボツリヌス菌の感染が怖い

はちみつの主成分は糖分。砂糖よりも低カロリーですし、ビタミンC、B1、B2、ポリフェノールなども入っていて栄養的には問題ないのですが、実ははちみつにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるため、犬には与えない方が良いと言われています。
ボツリヌス菌は自然界に広く存在している細菌の一種ですが、魚、野菜、保存食品やビン詰などにもまれに混入し、人において食中毒事件を起こすことがあります。
はちみつはボツリヌス菌に汚染される危険性のある食品のひとつで、日本でも出回っているはちみつの約5%がボツリヌス菌に汚染されていると言われています。
このため人では体力のない乳児にははちみつは食べさせない方が良いとされていますが、同じことは体の小さい犬にも言えることでしょう。体力のない子犬や老犬には特に注意が必要です。
ボツリヌス菌の産生するボツリヌス毒素は熱に弱いのが特徴です。80℃で30分、100℃で10分を目安に加熱すればボツリヌス毒素の毒性はなくなります。
しかしながら、はちみつにわずかに含まれており、人間の乳児や犬で注意しなければならないのは、ボツリヌス菌の毒素ではなく、「芽胞」と呼ばれるボツリヌス菌の種のようなもの。この「芽胞」が抵抗力の弱い乳児や犬の口から体内に侵入すると、体内で大量のボツリヌス菌が増えて、毒素が産生され、重症のボツリヌス中毒を引き起こします。そのため、たとえ加熱したはちみつであっても、食べさせないほうが安全です。

ボツリヌス菌に汚染されたはちみつを食べるとどんな症状がでるの?

はちみつ自体が犬を害するわけではありませんので、はちみつを食べたからと言って、すべての個体が健康を害すわけではありません。犬がはちみつを舐めたからと言ってすぐに慌てふためく必要はないのです。
問題のボツリヌス菌に汚染されたはちみつを食べた場合、最初に症状が出るまでは12時間~36時間ほどかかると言われています。これは犬の体力やはちみつの汚染具合によって異なるでしょう。
初期症状としては腹痛、吐き気、嘔吐などが起こります。症状が進むと頭痛や視力障害などが出ると言われていますが、症状を判断するのは難しいでしょう。重症化すると呼吸困難から死に至る場合もあると言われています。

はちみつの被害を受けないようにするには

ボツリヌス菌に汚染されていなければはちみつからによる健康被害はありませんが、汚染があるかどうかは食べてみなければ分からないのが現状です。リスクを考えれば、犬にははちみつを食べさせないようにするのが安全でしょう。テーブルの上にはちみつのビンを開けたまま置かない、パンケーキやパンなどはちみつをかけた食べ物は犬の手の届かないところに置くなど、日頃から注意しておくことが大切です。

はちみつはあえて食べさせないことが大切

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はちみつすべてが犬に害を及ぼすわけではありませんが、用心するに越したことはありません。ボツリヌス菌に汚染されているかもしれない可能性を考えて、犬にははちみつをあげないようにしましょう。
ちなみにこれを読んで「自分ははちみつを食べても大丈夫だろうか?」と思う飼い主さんもいらっしゃるでしょう。人間の場合、健康な成人であれば少量の芽胞が体に入っても、体の免疫機能により中毒を起こすことはありませんのでご安心ください。

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