猫はグルメ、といわれるように、確かに味にうるさい猫はたくさんいます。そんな猫が、ほとんど味が無く、ほんのり青臭いきゅうりを好んで食べるようにはなかなか考えづらいですが、実はシャリシャリとした食感が心地良くて、好んできゅうりを欲しがることがあるのです。さて、きゅうりは、猫に与えて害はないのでしょうか?
有害ではないが、注意が必要
基本的にはきゅうりを食べても問題はありません。そのほとんどが水分なので、猫に有害とされる成分は含まれていません。
きゅうりは、水分が多いため、体温調節にも良いとされ、夏場などの火照り逃しにはもってこいの野菜です。
また、カリウムを多く含むため、浮腫の改善に役立ちますが、そもそも猫が水太りすることはほぼなく、浮腫が起こった時点で何らかの体調の異常があると考えて良いので、腕や顔を触って皮膚が水を含んだように張っている場合や、スライムを触っているような感触になっている場合はすぐに病院に行きましょう。
水分補給には可
きゅうりの旬は夏ですが、夏は比較的猫も水を飲んでくれやすいです。猫に特に意識的に水分を取って欲しいのは冬場で、旬でなくてもきゅうりは一年中手に入りますので、欲しがるようであれば、水分補給として与える程度なら問題ないでしょう。
シャリシャリと噛んで、皮や水分を抜いた中身を吐き出してしまっても、噛んで遊んでいる間に水分は口の中に入っていますので、それだけでも充分といえるでしょう。しかし、いくら水分ばかりとはいえ、あげすぎには注意してください。体重ごとの厳密な適量はありませんが、一切れくらいでやめておきましょう。
腎臓病を罹患している場合は注意
きゅうりに含まれるカリウムは腎臓で排出される仕組みになっています。腎臓病とは、腎機能が低下し、体の老廃物をろ過しきれないために血中に毒素が残って体調不良に陥ります。カリウムの排出量には限度があり、排出量よりも摂取量が上回ると血液中にカリウムが残ることになってしまいます。
血液中にカリウムが多量に残り、存在することを高カリウム血症といい、これは身体にかなり悪影響を及ぼします。心臓の機能を狂わせ、不整脈を起こし、最悪の場合は死に至ります。腎臓病の猫にカリウムを積極的に与えてしまうと、高カリウム血症になり、死亡する可能性がありますのできゅうりを与えるのは避けるのが無難です。
健常な猫でも多量に与えると、高カリウム血症になる可能性はなくはないので適量を心がけましょう。
恐らくあまり欲しがらない
統計を取ったわけではありませんが、きゅうりを食べる猫は少ないと思います。欲しがるのであれば我慢させる必要はありませんが、こちらから食べることを覚えさせる必要もありません。また、最近猫の背後にきゅうりを置いて驚くか試す行為が一部で流行っているようですが、猫はびっくりしたり興奮したりして心拍数が上がりすぎるとそのまま心停止に陥る可能性があります。また、ストレスに弱い生き物ですので、真似しないで下さいね。
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