【獣医師が解説】猫のごはんは何時に与えるもの?

猫に食事を与える時間を決めていますか?猫が気が向いたときに食べられるように、ごはんを出しっぱなしにしているという人もいるでしょう。しかし、「猫に自由にごはんを食べさせていたら肥満になってしまった」という人もいるかもしれません。
飼い主さんが食事をうまくコントロールして、猫の健康を守ることはとても大切なことです。今回のテーマは、猫に食事を与える回数と時間についてです。

猫は「ちょこちょこ食べ」をする生き物?


猫は本来、単独で狩りをする生き物です。自分より小さなねずみなどをとらえて食べるため、一日に何度も狩りをして、何度も食事を行うという習性があります。猫が置きっぱなしにしたドライフードをちょこちょこと何回にもわけて食べるのは、こういった習性の名残だといわれています。
猫は基本的には必要な食事量を自分で調整することができます。しかし、最近は犬と同じように与えれば与えるだけその場で食べてしまう猫もいます。そのため、猫を肥満にさせないために、飼い主が食事の回数と食事量を管理することが大切です。特に、食事量を自分で調節できない成猫では、1日2回の食事を習慣づけましょう。
食事回数や食事量を飼い主がコントロールすることは、肥満の予防だけでなく、食欲や健康状態の把握にも役立ちます。ちょこちょこと少しずつ何度も食べる習慣の残っている猫であっても、無制限に食べられる状態にすることは勧められません。必ず1日あたりの食事量は決めておき、食事を与える回数も決めておくようにしましょう。

ライフステージごとの食事回数

成長期

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離乳から生後4〜5ヶ月頃

猫は生後8〜10週くらいを目処に離乳させましょう。この離乳時期から生後4〜5ヶ月くらいまでの猫は、まだ体が小さく、胃の容量や消化機能も未発達です。一度にたくさんは食べられませんので、一日あたりの食事量を4〜5回にわけて与えるようにしてください。

生後4〜12ヶ月頃

成長とともに、一度に食べられる食事の量が増えてきますので、食事回数も徐々に減らしていってもよいでしょう。生後12ヶ月頃までには、朝晩2回の食事にすることを目指しましょう。

成猫期

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特に健康状態に問題のない猫であれば、朝晩の2回食事をあたえるようにしてください。

シニア期


消化機能の低下しやすいシニア期の猫は、一度に食べられる量が減ってしまうことがあります。一回に与える食事の量を減らして、食事の回数を増やすようにしてください。

食事の時間を習慣づける為に


猫が食べ残しをしたら、15〜20分を目安に片付けるようにしてください。そうすることで、食事時間を習慣づけやすくなりすし、もともと「ちょこちょこ食べ」をしていた猫であっても、やがて1日2回の食事に馴染んでいくでしょう。

食事を置いたままにしておきたいならば

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食べ残したフードをそのままにしておくことは、腐敗や室内の臭いのもとになるなど、衛生面で問題となることがあります。愛猫がちょこちょこ食べる習性が続いている猫で、好きな時間に食事がとれるようにしておきたい場合は、ドライフードを選択してください。
このとき、一日に与える量はあらかじめ決めておき、それを守るようにしましょう。また、ドライフードであっても、少なくとも1日2回は交換するようにしてください。

食事を与える時間は?

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食事を与える時間は、飼い主の生活リズムやライフスタイル次第で決定すると良いでしょう。特に「何時に与えなくてはならない」ということはありません。ただし、日によって時間が大きくばらつくようなことは避けてください。生活リズムを乱さないような心がけが大切です。

規則正しい生活習慣で健康な身体を維持しましょう

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「ちょこちょこ食べ」や「ダラダラ食べ」をさせてしまいがちな猫ですが、肥満を予防し、きちんと健康管理をするためにも、食事の時間や回数は決めておきましょう。愛猫の健やかな体作りのために、是非一度、食習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

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