猫の舌と言えば熱いものを食べられない「猫舌」で有名ですが、熱いものを食べられない代わりにヒトの舌にはない機能を持っているんです。今回はそんな猫舌のすごさについて見てみましょう。
水の飲み方がスゴイ
猫は舌を使ってペロペロと水をすくって飲んでいるように見えますが、実は猫の舌は水をすくうようにはできていません。猫は舌を水につけてそのまま上に引っ張り上げているんです。そうすると、舌と水との間に発生した「表面張力」によって水の柱が猫に向かって作られるため、それを口の中に入れて水を飲んでいるんです。
猫の舌は1秒間に3~4回も動いていると言われています。それだけ高速で舌を動かして水柱を作ることで、あの小さな舌でもうまく水を飲むことができるんですね。
猫の舌のざらざらに隠された能力
猫に舐められた時、すごくざらざらして痛いと感じた経験はないでしょうか。猫の舌がざらざらしているのは、舌の表面にある多数の「舌乳頭」が原因です。人の舌にも舌乳頭がありまりますが、猫の舌乳頭より小さいため猫の舌ほどザラザラはしていないんです。
この舌乳頭にも猫独自の機能が隠されています。
機能1 毛づくろいに必要な櫛
猫の舌乳頭が大きい理由の1つが毛づくろいのためだと考えられます。猫の細くて柔らかい毛をからめとるには、とがった大きめの舌乳頭が必要になります。舌乳頭がある舌で余分な毛をからめとることで、皮膚に毛球ができるのを防ぎ、きれいな毛艶を保つことができるんです。猫の舌は、高性能の櫛としても働いているんですね。
機能2 肉をこそぎ取るナイフ
猫は獲物の肉を噛みちぎって食べることはできますが、骨に付いた肉は歯でこそぎ取ることができません。そこで活躍するのがざらざらの舌です。大きめの舌乳頭を使うことで、骨に着いた肉をきれいになめとることができます。つまり、猫の舌は骨に付いた肉をこそぎ取るためのナイフのような働きも持っているんですね。
猫の舌の問題点 ひも状のものが引っ掛かる
この便利な舌乳頭ですが、問題点もあります。それがひも状異物です。猫はひも状のもので遊んでいるうちに、そのひもが舌乳頭に絡んでしまうことがあります。そうすると、うまく取れなくなってしまい、舌に絡んだままそのひもを飲み込んでしまうことがあります。
舌に引っかかって飲み込んだひもは、舌~胃や腸までつながったひも状異物になってしまいます。ひも状異物は食道・胃・腸などに絡んでしまうため、引っ張って取り出すことができません。そのため、開腹手術でひもをいくつかの部分に切りながら取り出さないといけなくなってしまいます。猫の舌にはひもが引っかかりやすいということはしっかり頭に入れて置き、ひもで遊ばせる際には十分注意してくださいね。
まとめ
猫舌にはヒトの舌にはない機能がいくつもあります。まだまだ分かっていない機能が隠れているかもしれません。一度、愛猫の舌の形や動きをじっくり観察してみてくださいね!
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