下部尿路疾患の猫を飼っていたら食べさせたい専用の療法食

猫の下部尿路疾患はFLUTDとも呼ばれ、膀胱から尿道にかけて起こる病気の総称です。猫の祖先は砂漠に住んでいた関係で、体内に水を保持しておく必要がありました。水分を無駄に排出しないために、尿の水分も体内に再吸収しますが、その結果、濃度が濃くなり、膀胱炎、結石など尿路の疾患になりやすいのです。これらの疾患の症状が進むと尿が出なくなって尿毒症になることもあり、命を脅かす危険があります。こうしたリスクから猫を守るためにも必要なのが早めの病気の発見と食事療法。今回は、下部尿路疾患のある猫のための療法食をご紹介します。

下部尿路疾患の猫のためのフードは普通のフードとどこが違うの?

マグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラルは猫の成長や生命維持に欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取すると尿の中に排出され、結石や結晶となって尿石を作ったり、膀胱炎の原因になったりする可能性が高まります。このため下部尿路疾患に配慮した療法食は、これらのミネラルを調整して疾患の再発を抑えています。また、健康な猫の尿のpHは6.5前後の中性だと言われていますが、これがアルカリ性(pHの数字が大きくなる)に傾くと尿の中に排出された余分なリンやマグネシウムが固まってストルバイト結石を起こしやすくなります。こうしたことから、 尿のpH値を調整する働きがあるのも下部尿路疾患の療法食の特徴です。

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード①ロイヤルカナン 療法食 PHコントロール2ドライ

下部尿路疾患の中でもストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症を防ぐために作られた療法食で、マグネシウムやミネラルの成分量が調整されています。特にストルバイト結石を予防するために尿を弱酸性にキープしたり、ストルバイト結石の構成成分であるマグネシウムの含有量を制限したりしている(20㎎/100kcal)のが特徴です。PHコントロールのシリーズには「2」のほかに「0」や「1」もあり、それぞれ酸性にする効果に違いがあります。「0」は酸性にする効果が一番高く、「2」はその効き目がもっとも穏やかです。

  • メーカー:ロイヤルカナン
  • 内容量:2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B001JL2N9U” locale=”JP” title=”ロイヤルカナン 療法食 PHコントロール2 ドライ 猫用 4kg”] [amazonjs asin=”B001JL64KO” locale=”JP” title=”ロイヤルカナン 療法食 猫 PHコントロール1 ドライ 4kg”] [amazonjs asin=”B001O0ZKL4″ locale=”JP” title=”ロイヤルカナン 療法食 pHコントロール0 ドライ 猫用 2kg”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード②ロイヤルカナン 療法食 PHコントロールパウチウェット

ロイヤルカナンの療法食のウェットタイプです。ドライと同様、ストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症などの下部尿路疾患をもつ猫に給餌するため、マグネシウムなどのミネラル分が制限されています。ストルバイト結石を防ぐために尿を弱酸性にキープするための栄養バランスに配慮しているのも特徴。ドライに比べて水分が摂取しやすいので水をあまり飲まない猫のためにもおすすめです。

  • メーカー:ロイヤルカナン
  • 内容量:100g
  • フードタイプ:ウェット(パウチ)
[amazonjs asin=”B004ZKJPAC” locale=”JP” title=”ロイヤルカナン 療法食 pHコントロール ウェット パウチ 猫用 100g×24個”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード③ナチュラルハーベスト カントリーロード プレシャスサポート F.L.U.T.Dケア用食事療法食

猫下部尿路疾患の予防と初期症状の改善を目的に作られた療法食。猫が本来、小動物などを食べる動物であることに注目し、ミネラル分を過不足なく配合しました。原材料は厳選したチキンとサーモンを使用。高タンパク質なフードにすることで猫が自然に水を飲むように促すのが特徴です。また、尿のpH値が理想の6.5に近づくよう配慮しています。こちらの療法食はどちらかと言うと予防を目的にしていますので、
症状が既に進行している場合や、既に尿内に結石ができている場合に、治療や改善を期待することはできません。

  • メーカー:ナチュラルハーベスト
  • 内容量:100g、650g
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B00DMYQT2Y” locale=”JP” title=”ナチュラルハーベスト カントリーロード プレシャスサポート F.L.U.T.Dケア用食事療法食 650g×2″]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード④プリスクリプションダイエット 療法食メタボリックス+ユリナリー

肥満と下部尿路疾患は関係がないようで実は密接に繋がっています。肥満傾向にある猫は食べ過ぎからミネラル分も多く摂取しがちですし、運動不足、水分不足、活性酸素の増加による細胞の酸化などに陥りがちで、結果、下部尿路の疾患に罹る可能性が高いと言われています。プリスクリプションダイエットは、下部尿路疾患とその原因である肥満の両方にアプローチ。独自の原料配合と低カロリーレシピにより、60日間で11%の減量を実現し、ストルバイト結石の管理に最短7日(平均27日)で結果を出すことが科学的に証明されています。下

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B01D2CSIVA” locale=”JP” title=”プリスクリプション・ダイエット 療法食メタボリックス+ユリナリー 猫 2kg”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑤プリスクリプションダイエット c/d マルチケア コンフォート

マルチケア コンフォートは、プリスクリプションダイエットc/dの中でも特に膀胱炎に特化した療法食です。猫の下部尿路疾患の約6割は特発性膀胱炎。これは尿路結石の約2倍~3倍にもあたりますが、その主な原因はストレスだと言われています。このストレスによる特発性膀胱炎を根本から見直した新製品がこのマルチケア コンフォートなのです。加水分解ミルクプロテインとトリプトファンを配合することにより精神面での健康維持に配慮。さらに脂肪酸の比率を研究し、特発性膀胱炎が起きにくい栄養バランスにしました。もちろん、マグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラルの調整も的確に施されています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B00JJETTVE” locale=”JP” title=”プリスクリプション・ダイエット 療法食 CDマルチケアコンフォート 猫 4kg”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑥プリスクリプションダイエット ユーナリーケアc/d マルチケア ウェット

ストルバイト尿石がある猫の治療時のための療法食、プリスクリプションダイエットのウェットタイプです。ストルバイト結石やシュウ酸カルシウム尿石が再び形成されることがないよう、マグネシウム、リン、カルシウムなどミネラル分を調整するとともに、膀胱炎の予防のためにオメガ3脂肪酸を配合しました。下部尿路のトラブルを抱えた猫は長期に渡る食事管理が必要ですが、そのために塩分が控えめなのも特徴。フードに飽きやすい猫のために156g缶には粗引きチキン入り、粗引きシーフード入りの2種が、82g缶にはチキン&野菜入りシチュー、ツナ&野菜入りシチュー、コンフォートチキン&野菜入りシチューの3種類が用意されていて、高齢で歯の弱い猫やドライフードを好まない猫の療法食として広く使われています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:82g、156g
  • フードタイプ:ウェット(缶)
[amazonjs asin=”B015GXEU6A” locale=”JP” title=”プリスクリプション・ダイエット 猫用 尿ケア c/d マルチケア ツナ&野菜入りシチュー82g×24″] [amazonjs asin=”B015GXRP1C” locale=”JP” title=”プリスクリプション・ダイエット 猫用 尿ケア c/d マルチケア コンフォート チキン&野菜入りシチュー82g×24″]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑦プリスクリプションダイエット s/d

すでにストルバイト結石が確認されている猫の治療時の療法食。前述のc/dが再発の予防を意図しているのに対し、尿をpH5.9~6.1にして尿石を溶解しやすくする目的で使われます。 ストルバイト結石の元となるマグネシウムやリンを制限し、アミノ酸のバランスを調整してあるのが特徴。最短6日(平均13日)で結果を出すことが科学的に証明されています。尿石が溶解したことが獣医さんによって確認できたら、s/dを止めてc/dにシフトします。s/dにはドライとウェットが1種類ずつ用意されています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg(ドライ)、156g(ウェット)
  • フードタイプ:ドライフード、ウェット(缶)
[amazonjs asin=”B00GM71EMS” locale=”JP” title=”プリスクリプション・ダイエット 療法食 SD 猫 4kg”] [amazonjs asin=”B00DOMT1ZQ” locale=”JP” title=”ヒルズ プリスクリプション・ダイエット <猫用> s/d 粗挽き 156g”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑧ドクターズケア 療法食 ストルバイトケア

製薬会社のノバルティスの小会社が作った療法食で、ストルバイト結石の食事管理のために開発されました。ミネラルバランスをコントロールし、栄養分を調整することにより尿が6.1~6.4pHになるように配慮されています。特にストルバイト結石の原因となりがちなマグネシウムの量は0.05%に制限。また、小粒なので高齢の猫や歯の悪い猫にも比較的食べやすくなっています。

  • メーカー:ノバルティス アニマルヘルス
  • 内容量:1.5kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B006R241TQ” locale=”JP” title=”ドクターズケア (Dr’s CARE) 療法食 ストルバイトケアフィッシュテイスト 猫用 4KG”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑨ユーカヌバ Sアシスト pH猫用 ドライ

マグネシウム量を減らし、尿のpH値を適切に管理することを目的にした療法食。ストルバイト結石を防ぐだけでなく、オメガ3&6脂肪酸の配合で皮膚や被毛を健康に保ち、食物繊維(ビートパルプ)の配合により腸の調子を整えるなど猫の体をトータルでサポートしてくれるフードです。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:400g、1.5kg、3kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B007MV9PJM” locale=”JP” title=”療法食ユーカヌバ Sアシスト pH 猫用 3kg”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑩ユーカヌバ Sアシスト pH猫用 ウェット

ユーカヌバ Sアシストのウェットタイプです。マグネシウム量を調整し、尿のpHを調整することによりストルバイト結石を防いでいる点や、オメガ3&6、食物繊維の配合などフードの処方はドライと同様です。ウェットは歯の弱い猫にも無理なく食べることができますし、ドライフードに比べて水分を摂取できる点が下部尿路疾患の猫にとって便利です。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:170g
  • フードタイプ:ウェット(缶)
[amazonjs asin=”B00DV8OLDK” locale=”JP” title=”療法食アイムス Sアシスト pH 猫用 缶 170g×12缶”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑪ユーカヌバ Oアシスト pH ドライ

猫の結石にはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム尿結石の両方がありますが、それぞれ原因が違います。こちらの0アシストはシュウ酸カルシウム系の結石の治療や予防のための療法食。クエン酸カリウムを配合することにより血中の酸と塩基のバランスを調整し、シュウ酸カルシウム結石の形成を予防します。ビタミンEなどの抗酸化物質を配合してありますので免疫力を高める効果も期待できます。オメガ3&6、食物繊維の配合で猫の体を幅広くサポートするのは「Sアシスト」と同様です。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:1.5kg
  • フードタイプ:ドライフード
[amazonjs asin=”B007MVAG0O” locale=”JP” title=”療法食ユーカヌバ Oアシスト pH 猫用 1.5kg”]

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑫ユーカヌバ Oアシスト pH ウェット

ユーカヌバ 0アシストのウェットタイプです。ドライと同じくクエン酸カリウム量を調整することにより、シュウ酸カルシウム結石を予防することを目指しています。ドライに比べて自然に水分を摂ることができますし、固いドライフードが嫌いな猫におすすめです。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:170g
  • フードタイプ:ウェット(缶)
[amazonjs asin=”B00KLWAFAW” locale=”JP” title=”ユーカヌバ 猫用 Oアシスト ph 170g 食事療法食”]

療法食を与える場合は必ず獣医さんに相談を

療法食は獣医さんの指導のもとに与えることを前提にしたフードです。下部尿路疾患のための療法食の中にはプリスクリプションダイエットのように目的によって細かく種類が分かれているものもあります。自分の猫に療法食が必要なのか、また、どのフードを食べさせるべきなのかは必ず獣医さんに相談するようにしましょう。そのうえで継続して療法食を与える必要がある場合は、リーズナブルな価格で販売しているところを見つけて購入するのがおすすめです。また、下部尿路の疾患は、飼い主さんの早期発見が治療の大きなカギになりますので、猫のオシッコは常にチェックするようにしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です