爽やかな酸味のレモンは、人間の食生活にはとても良い効果のある果物です。でも、ハムスターにとって、大きな害はないものの特別に食べさせる必要はありません。ここでは、ハムスターとレモンの関係について考えてみましょう。
ハムスターはすっぱいと感じる?
ハムスターの味覚センサーは、かなり感度が低く、ヒトの5分の1以下です。味を感じる味蕾(みらい)と呼ばれる細胞の数は、人間で1万個、犬では2000個。ハムスターは、さらにそれよりも少ないと言われています。それでも、危険性のある食べ物を見分けるための味覚はそれなりにもっています。ハムスターの好むのは、甘味。そして苦手なのは、苦味と酸味です。ハムスターが特に好むのは、果物の中でもメロンなどの甘味の強い果物。ほとんど甘さを感じず、強烈にすっぱいレモンは与えても食べない可能性が高いのです。ハムスターの食生活は、ペレットと水、少量の野菜で十分満たされます。果物は、ほぼお楽しみとして考えて構いません。あえて好まないレモンを、ハムスターに与える意味はありません。
レモンのビタミンC
いつの頃からか、レモンはビタミンCの代名詞のように扱われています。が、すっぱさイコールビタミンC、というわけではないようです。実はレモン以上にビタミンCが豊富な食べ物はかなりあります。
- パセリ
- ブロッコリー
- ピメント
- みかん
- いちご
上記の食品は、ハムスターが食べても問題がないものばかりです。しかも、レモンよりもずっとハムスターに好まれます。さらにハムスターは糖類のグルコースを元にして、ビタミンCを体内でつくることができます。よほど体力が落ちていない限り、ペレットを食べさせているだけでもビタミンCが不足することはありません。ハムスターが病気をしたり、元気がないときには、ビタミンを多く含む嗜好性の高い果物や野菜を与えると良いでしょう。
ハムスターと果物
柑橘系の果物全般がハムスターに悪いわけではありませんが、グレープフルーツやレモンは苦味や酸味が強すぎるので、避けた方が良いものとされています。甘味を好むハムスターは、与えられると大抵の果物を食べますが、中にはまったく口にしないものもあります。逆に、例え毒性のものであっても、気づかずに食べてしまうことも。果物のタネの中には、ハムスターを死に至らせるほどの毒性があるものも多く存在します。ハムスターにとって、果物はお楽しみのおやつのようなもの。愛情から思わぬ結果を引き起こさないように、しっかりとした知識の下で、与えるようにしてください。
人間とは異なるハムスターの食生活
健康の象徴のように感じるレモンですが、ハムスターには必ずしも必要とされません。さまざまな味を与えたいと思っても、やはりハムスターにも好みがあります。「与えても良いが与える必要がない」という食品は、意外とたくさんあります。人間とハムスターの食生活はまったく違う、を大前提にすることが大切です。
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