猫の肝硬変〜原因・症状と対策

猫の肝硬変は命に関わる深刻な病気です。肝臓はホルモンや消化酵素の生成、栄養素の合成や分解、解毒などのはたらきをする非常に重要な器官です。肝硬変になると肝臓の線維組織が増え、肝臓が硬くなってしまった状態になります。肝臓の線維組織が増えている状態のことを肝繊線維症といいますが、肝硬変はそれが慢性化して肝臓の細胞全体の構造が変質してしまった状態となるので深刻です。猫の肝硬変の原因や症状、対策についてご紹介します。

猫の肝硬変の原因

猫の肝硬変の主な原因は肝炎です。肝炎が慢性化していると線維組織が増えつづけてしまい、最終的に肝硬変になる可能性が高まります。また肝細胞が大量に死滅することによって線維組織が過剰に増えてしまうこともあります。

猫の肝硬変の症状

猫の肝硬変の主な症状は食欲不振に伴う体重の減少に始まり、黄疸、腹水、肝性脳症へと進行していきます。特に黄疸の症状が見られたら危機的なサインとなるので早急に動物病院に連れていき、獣医さんの診察を受けさせてあげてください。とはいえ肝硬変になってしまった肝臓を元に戻すことは難しく、肝硬変になる前に治療を施してあげることが大事になります。猫が体調不良を示しているときには軽く扱わないように心掛けてください。たとえば食欲がないだけだから大丈夫だと思っていたら肝硬変になって取り返しがつかないということもあります。まず大事なことは、身体の不調の原因が何であるのかを検査によって調べてもらうことです。猫の身体を気遣い、適切な処置をしてあげましょう。

猫の肝硬変の対策

猫の肝硬変の原因の中にはまだわかっていないこともあるので完全に予防するための対策は難しいです。ただ肝炎が引き金となるケースが多いので、肝炎を予防するための方法を実践することが大事になります。肝炎は肝臓に炎症が起こっている状態のことです。肝臓に負担をかけないように気をつけてあげてください。特に人間の食べ物を猫に与えてしまうと肝臓に負担をかけてしまうリスクが高まるので注意しましょう。

猫の肝硬変の治療

猫の肝硬変の治療は基本的に対症療法になります。肝硬変に至ってしまった肝臓を修復することは難しいので症状を緩和するための治療を施すことが精一杯な部分があるためです。主な対症療法は食事療法や栄養補給などです。肝硬変に伴って腹水の症状が見られるときには利尿剤を投与し、症状が治まらない場合は腹部に注射器を指して直接水を抜き取ります。また場合によっては投薬治療が施されることもあります。肝炎の症状の緩和に有効な抗酸化剤、銅キレート剤、免疫抑制剤、抗線維化物質、亜鉛などを投与して投薬治療を施します。ただそれによって肝硬変が治るということではなく、あくまでも症状に応じた対処療法という意味合いが強いので、長期的に継続して治療を行う必要があります。

まとめ

猫の肝硬変の原因や症状、対策についてご紹介しました。猫の肝硬変は慢性肝炎や肝細胞が大量に死滅することで引き起こされることが主な原因となります。黄疸や腹水が主な症状となるので、それらの症状が見られたときには肝硬変や肝炎を患っている可能性が高いので早急な対処を求められます。ただ肝硬変になってしまっている場合には肝臓を元に戻すことが難しいので対症療法で症状を緩和する治療に偏りやすいです。継続的に治療をしなければならない場合が多いのでその点は覚悟してください。大事なことは肝硬変に至る前の早期の段階で肝臓の疾患を見つけてあげることです。猫の身体に表れている体調不良のサインを軽く扱わず、その都度獣医さんの診察や検査を受けさせてあげてください。体内で起こっていることを完全に見抜くことは困難を極めます。適切な方法で検査してあげなければわからないことが多いので不調の原因がわからないときには獣医さんを頼るようにしてください。

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