動物病院でも良くオススメされる猫餌と言えば、ロイヤルカナンのキャットフード。
実際の評判や口コミはどうなのでしょうか?
愛猫に合ったロイヤルカナンの選び方や量、アレルギーの危険性や韓国工場生産の噂について解説します!
ロイヤルカナンの総合評価
ロイヤルカナンのキャットフードの評価はBランクです。
原材料の内容・品質 | ☆ | 品質についてヒューマングレードの記載はありません。内容についてもいくつか気になるものがあります。人工添加物も入っています。 |
穀物の使用 | ☆ | 米や小麦、トウモロコシの使用があります。 |
成分値 | ☆☆☆☆ | 成分値は良いです。商品によってかなり異なるのできちんと確認が必要です。 |
価格帯 | ☆☆☆ | 価格帯はは2kgのフードで3000円前後です。療法食などは更に高いものもあり、安いフードであるとはいえないでしょう。 |
販売元の信頼性 | ☆☆☆ | 販売元はしっかりとした研究所がある大手企業で安心できます。しかし大手ゆえ末端の製造工場まできちんと管理できているのか疑問が残ります。 |
評価解説
販売元はペットフード業界を牽引する2大企業の一つであり、その研究開発は常にトップを走っているといえます。
しかし超大手企業ゆえ、末端まできちんと管理の目が届いているのか疑問が残ります。
キャットフードの原材料については、詳しい品質の解説はありません。人間が食べられるようなヒューマングレードの原材料ではありません。
また、多くのフードでアレルギーの原因になったり消化器官に負担がかかると言われている穀物類の使用や、気になる原材料の使用があります。
フードの成分値は商品によって大きく異なりますので、きちんと飼い猫に合ったフードを選んであげる必要があります。
細かく分類され様々なフードが販売されているので、選ぶことが少し大変です。
実際に使用した感想
ロイヤルカナンのフードは自宅の動物病院でも療法食を紹介しているフードです。
健康な猫用のフードも使用したことがありました。
比較的食いつきは良いと感じますが、猫によっては全然食べてくれない子もいます。
また猫によって合う/合わないがどのフードもありますが、激しい下痢を起こしてしまう子が一頭いたため、その子はすぐにロイヤルカナンは中止しました。
毛並みがパサパサしてしまうのが気になりましたが、糞便臭は他のフードに比べて少なくなる傾向があると感じます。
ロイヤルカナンの原材料分析!
ロイヤルカナンの「インドア」をみてみましょう。
健康な成猫で、室内で飼っており運動量が少なめの猫に向いてるフードです。
たんぱく質 25.0 %以上 脂質 11.0 %以上 粗繊維 5.0 %以下
灰分 8.0 %以下 水分 6.5 %以下 食物繊維 11.5 %
ビタミン(1kg中) A 16,500 IU D 3,700 IU E 500 mg
カロリー含有量(代謝エネルギー) 375 kcal/100g
米・小麦・とうもろこしの使用 ✕
ロイヤルカナンは、穀物不使用(グレインフリー)のフードではありません。
ほぼ全ての商品で米の使用があります。
また、アレルギーケア以外の商品ではほとんどすべての商品で小麦やとうもろこしの使用があります。
猫は完全肉食動物であると言われていますので、穀物類を消化する酵素を殆ど持っていません。
そのため穀物の消化はとても苦手で、フードによって下痢を起こしたり軟便になると言った子もいます。
また穀物類は猫の食物アレルギーでも発症が多い食材です。
今アレルギーがない猫でも今後発症する可能性がありますので、予防のためにも穀物類が入っていないグレインフリーのフードをオススメします。
動物性脂肪と大豆油の使用 ✕
ロイヤルカナンでは、脂肪分として動物性脂肪と大豆油の使用があります。
動物性脂肪の場合、どんな動物の脂肪分を使用しているのかわかりません。
ですので、きちんと「鶏脂」や「牛脂」など動物名が記載されているものの方が安心です。
肉類によってアレルギーが出てしまう子もいますので、フードに使用してる動物の種類はきちんと記載してくれたほうが安心なのです。
植物性油脂と記載され中身が曖昧なものが多い中、大豆油は種類が記載されているので良いのですが、とても安価で私達のサラダ油やマーガリンに使用されている安価な油です。
品質が良いヒマワリオイルやオリーブオイルなどを使用しているフードのほうがオススメであるといえます。
ビートパルプの使用 △
ビートパルプとは、
ビート(甜菜=サトウダイコン)に含まれる食物繊維です。可溶性繊維と不溶性繊維のどちらもバランスよく含んでいます。消化管内の輸送速度を調節したり、腸内細菌叢ではたらき、腸内環境の健康的な維持に役立ちます。
ROYALCANIN ロイヤルカナン お問い合わせより引用
ビートパルプは消化されるものではなく、あくまでも便通を良くするための繊維質です。
腸内に便が溜まり腸内環境が悪くならないようにと添加されています。
しかし、ビートパルプは少量では良いものの、量が多くなると腸の動きを促進しすぎて軟便になる事があります。
私達の食事と同じで、犬猫も添加物ではなく出来るだけ自然な食材で食物繊維を取ることが出来た方が健康の為であるといえますので、サツマイモやキャベツなど野菜類を豊富に使用してくれているフードの方が良いと感じます。
酸化防止剤の使用(BHA、没食子酸プロピル)✕
ロイヤルカナンでは化学添加物である酸化防止剤を使用しています。
BHAは、多量に摂取すると発がん性があるという研究結果が出ているためしばしばその含有が問題になります。
BHAも没食子酸プロピルも、ヒトの食材でも使用されている化学添加物です。
ペットフードに添加物が添加される際も、日本のペットフード安全法でも一応使用量の基準が決められています。
ロイヤルカナンの製品も日本のペットフード安全法の基準と、ペット関連の法律・指針も詳しく制定しているEU連合の基準に準じて、含有量を決めているようです。
EU理事会ならびに日本のペットフード安全法で定める「エトキシキン、BHA、BHTの単独または合計量が150ppm以下」の基準内で使用しています。
ロイヤルカナン製品に使用しているBHAの量を一生食べ続けたとしても健康に影響を及ぼすことはありません。また、摂取したBHAは2日で体外に排出されますので蓄積されることはありません。
食品添加物として使用が認められている成分の使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えない量で定められています。一日摂取許容量とは、人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとして、健康に影響をおぼさないとされる体重1キロあたり、一日あたりの摂取量のことです。
ロイヤルカナン製品に使用しているBHAの量を一生食べ続けたとしても健康に影響を及ぼすことはありません。また、摂取したBHAは2日で体外に排出されますので蓄積されることはありません。
食品添加物として使用が認められている成分の使用基準は、一日摂取許容量(ADI)を超えない量で定められています。一日摂取許容量とは、人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとして、健康に影響をおぼさないとされる体重1キロあたり、一日あたりの摂取量のことです。
ROYALCANIN 上記全てロイヤルカナンHPお客様相談より引用
いくら安全な基準値内といっても、多量に摂取すれば発がん性があるといわれている化学添加物。できれば与えたくないと感じる方が多いハズです。
しかし酸化防止剤を添加しないとドライフードの品質が悪くなってしまいます。
そこで、化学添加物よりは日持ちがしなくなりますが、安全に美味しい品質を保てる天然添加物(植物、ハーブなど)やビタミンCなどで酸化防止を行っているようなフードがオススメであるといえます。
成分値評価 ◯
成分値は良いです。
ロイヤルカナンはしっかりと自社研究所で研究を行っているので、きちんと愛猫にあったフードを選べれば栄養分は全く問題ありません。
しかし、問題はしっかりと愛猫に合ったフードを選んであげること。
数々の商品があり、商品によって成分値は大きく異なるので選び方はとても重要です。
次に愛猫に合ったロイヤルカナンの選び方を紹介します!
愛猫にあったロイヤルカナンの選び方
ロイヤルカナンを選ぶポイントはいくつかありますが、特に一番気になることを重点的に選びます。
例えば「健康・室内飼い・雑種・痩せている・成猫(13歳)」と「健康・室内飼い・太り気味・マンチカン・成猫(5歳)」では与えるべきフードが全く違うのです!
一番健康に重要なのは正常体型を保つことです。
どちらにも室内飼いの代表的なインドアアダルトを与えていると、どちらの猫も体型は変わらず現状維持になってしまうでしょう。
注意したい点は、少し太ったからといって勝手に規定の給餌量を減らさないこと!!
肥満猫用フードなどで「これでも太る場合は給餌量より〇〇%までは減らしても可」といった記載がある場合は餌を減らす事が可能ですが、勝手に給餌量を減らすと1日に必要な栄養素が摂取できなくなってしまいます。
そのため記載されている体重=給餌量はきちんと与えましょう。
選び方ポイント1:健康or病気
健康な子か病気な子かで、まずフード選びは大きく変わります。
「うちの子太ってるの〜」という患者さんがいますが、実は副腎皮質機能亢進症という病気の症状でお腹が出てしまっているだけであったり、肥満(メタボリック)な状態から糖尿病になってしまっている猫ちゃんであったりします。
また「痩せている」も注意が必要です。甲状腺機能亢進症や癌などは症状として痩せていく猫ちゃんが多い病気です。
病気の場合は治療と共に、病気に合った餌を食べさせることが大切です。
ロイヤルカナンであれば、療法食が様々な種類販売されているので獣医師と相談のもと療法食を与える事がよいでしょう。
病気によって餌を変える必要がないと言われた場合は、良い品質の材料、バランスの良い成分値の内容でカロリーが平均的なフードをオススメします。
選び方ポイント2:室内飼いor外飼い、避妊去勢の有無
室内飼いか外に出る猫かで消費カロリーが大きく変わりますのでこちらも注意が必要です。
また、避妊や去勢をすると行動量が減り太りやすくなる子もいます。
(うちの猫の場合変わらない子が半数でしたので、個体差がかなりあると思います)
太らないよう・痩せないようにコントロールする事は健康を維持する上でとても大切です。
現在は外飼いや外にお散歩に出る猫ちゃんはほとんどいないと思います。
外国の会社のフードなどはカロリーが高く、広く走り回れる海外の猫と違ってインドアで運動量が少ない日本の猫の生活に合わない可能性がありますので、1ヶ月程与えてみて体重の変化を見てみましょう。
ロイヤルカナンなどではインドアキャットなどが健康で室内飼いの猫ちゃんにはオススメでしょう。
また室内飼い用や避妊去勢用でも、規定の給餌量を与えていて太らないかどうかをきちんと管理する必要があります。
選び方ポイント3:年齢
人と同じく、猫も年齢によって増減すべき栄養素の量が変わってきます。
もちろん健康であれば子猫(キトン)〜老猫(シニア)まで同じフードを食べ続けることも可能です。
体調の変化や体型の変化があった場合は、年齢に合ったフードを与えることも検討して良いでしょう。
選び方ポイント4:気になる状態
猫の毛艶がない、皮膚が脂っぽい、尿路系の病気の予防をしたい、毛玉を食べているのが気になる、歯石が気になる、などの気になる状態に合わせてフードを選ぶことも良いでしょう。
※しかし注意したいのは、きちんと動物病院で「病気ではない状態である」ということを確認することです!
全て賄えるようなフードを選ぶのが良いのですが、ロイヤルカナンでは悩み別にフードがあるので、一番気になるポイントを抑えても良いでしょう。
ロイヤルカナンの口コミや評判
実際に使用しているヒトの口コミや評判を紹介しましょう。
うちのニャンズはずつとカナンで育ててきました。最近ですが、品質が安定してない感じがします…ここ3回購入したものは、開封時全て香りが違い(以前は香ばしい良い香りで毎回同じ)キブルも色が濃かったり薄かったり、周りに着いている粉々も多かったり少なかったりで以前より全然食いつきが悪くなりました。日本でリパックされているとは思いますが、こんなに状態で更に生産国が変わるのであれば二度と買う事はないでしょう。現在は、主食からおやつに格下げで主食は他のプレミアムに変更して在庫消化しています。色々カキコも拝見しますが、消費者の購買意欲を無くすような事はやめていただきたいです。 Amazon ロイヤルカナンインドア レビューより
ずっとカナ○ンを食べさせていたのですが、多少値が張りますので評判の良いロイヤルカナンに変えてみようと購入しました。10日くらいかけて徐々に移行したのですが、段々下痢になりカナガンのみに戻すと下痢は治まりました。ただうちの子に合わなかっただけだと思いますが、こういうこともありますということで。。 Amazon ロイヤルカナンインドア レビューより
このフードも便が臭くなくて良い。フードでこうも便の臭いが変わるなんて勉強になった。 Amazon ロイヤルカナンインドア レビューより
前の飼い主さんが与えていたのでそれにならって与えています。食いつきもよくいつも食器をきれいに食べきってくれます。毛玉の問題もなく便の臭いも抑えられています。
ただ餌の匂いは強いので袋のチャックをきちんと閉めておかないと見つけられて食べられちゃいます。 Amazon ロイヤルカナンインドア レビューより
ロイヤルカナンは韓国生産になるのか!?
ロイヤルカナンは、2014年にアジア初の生産工場を韓国に作ると発表しました。
参照元:2014/09/03中央日報
ニュースによると2017年から日本に輸入されるロイヤルカナンは、ほとんどが韓国で製造されたものになるようです。
しかし2017年になった現時点でまだ韓国産のフードの輸入の話は聞いていません。
※問い合わせの結果、2018年より生産が開始され、その後日本に輸入されるわけではなく、輸入販売されるようになる前にはお知らせがあるようです。
韓国工場は生産コストや人件費削減、様々な基準クリアの問題などから作られるものであると感じます。
そのようなコスト削減の末にできた工場で製造された商品にはあまり信頼がおけません…
原材料も、海外からの輸入の他は韓国現地の材料を使用するようです。
しかしヒト用の食品でも様々な問題が出ていますし、韓国産の原材料に信頼がおけるとは思いません。
食品製造関連のニュースでも、韓国のずさんな製造管理・衛生管理体勢が多く報道されていますし、消費者としては韓国工場にはいまいち信用がおけません。
ロイヤルカナンが韓国産になることで購入を辞める!という方も多いようなので、今後ほんとうに製造が開始され日本に輸入されてくるのか動向が気になります。
まとめ
ロイヤルカナンのキャットフードについて、いかがでしたでしょうか?
大手企業への信頼度は高いのですが、大手ゆえ管理が行き届かないのでは…?という疑問は拭えません。
またフードの原材構成もあまり良い構成とはいえません。
療法食を与える必要のある病気の子はオススメであると言えますが、それ以外の健康な子は少し考慮の余地がありそうです。
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