飼い猫の健康を維持していきたいのであれば、まずは普段口にするドライフードの質や与え方に注目することも大切です。
そこで今回は、安全なフードの選び方や置き餌の危険性など、ドライフードにまつわる様々な豆知識をご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
安全なドライフードを選ぶためには?

原産国をチェック
安全なドライフードを選びたいときは、まずどこの国で作られているかということに着目してみましょう。
ただし、ドライフードに記されている原産国は、最終加工がおこなわれた国を示しているので注意が必要です。
例えば、中国産の原材料を日本で最終加工して作った場合、そのドライフードは日本産と記されます。
そのため、不安に思う場合は各メーカーに問い合わせ、仕入れ先などを聞いてみるのもよいでしょう。
また、国産のドライフードは外国産のものよりも安全性が高そうだと思っている方もいるかもしれませんが、実は違います。
現在の日本は動物先進国ではないため、人間用の食品とは違い、ペットフードの基準には厳しい決まりがありません。
だからこそ国産よりも、動物先進国であるアメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、イギリス、オーストラリアが原産国になっているドライフードのほうが高い安全性を持っているのです。
例えば、イギリスではペットフードにも、人と同じくらいの厳しい基準を法律で設けています。
さらに、オーストラリアの場合は、ペットフードにもホルモン剤や抗生物質・遺伝子組み換え飼料などの使用を認めていません。
主原料が肉や魚である
主原料とは、パッケージの一番初めに記されており、フード内に一番多く入っている原材料のことです。
私たち人間は、白米などの炭水化物を主食にしていますよね。
しかし、猫は人間とは違って炭水化物よりも、タンパク質や脂肪を必要とします。
だからこそ、主原料が肉や魚であるドライフードを与えることで、必要な栄養素を補ってあげましょう。
価格の安いキャットフードは、トウモロコシなどの穀物を主原料にしていることも多いものです。
しかし、猫は穀物を体の中でうまく消化できません。
そのため、穀物を主原料にしたフードが下痢や嘔吐を引き起こしてしまうこともあります。
また、穀物アレルギーを持っている子がそうしたフードを口にしてしまうと、同じく下痢や嘔吐をするようになったり、毛が抜けるなどのアレルギー反応が見られたりすることもあるでしょう。
着色料が使われていない
食品添加物の一種である合成着色料は、フードをおいしそうに見せるために使われます。
表記としては、「赤色40号」や「黄色4号」というように記されているでしょう。
しかし、こうした合成着色料は猫ではなく、人間に「おいしそうだ」と思わせるために使われているものです。
合成着色料を使用したドライフードは、お肉の赤みを思い出させるかのような色をしています。
しかし、猫はそもそも赤色が識別できないので、着色されたフードを見て、猫が「おいしそうだ」と思うことはありません。
合成着色料の危険性は今のところ、一度に多量摂取した場合のみ指摘されているだけです。
しかし、長期的な研究がしっかりとなされておらず、明らかになっていないことも多いため、できるだけ与えないようにすることが大切だといえます。
また、合成着色料だけではなく、植物などから作られている天然着色料が使われていないかということもチェックしてみましょう。
天然着色料は自然素材から作られているため、安全性が高いと思われがちですが、中には発ガンのリスクを高めるとされているものもあります。
そのため、安心できるドライフードを与えたい方は、無添加のものを検討していくのもよいでしょう。
酸化防腐剤が使われていない
酸化防腐剤とは、フードの酸化を防ぐものですが、猫の体に大きな影響を与えるとされています。
例えば、人間用の食品に使われなくなったBHAは、発ガン性や歩行障害、呼吸困難、消化器官の出血、肝臓のうっ血などが現れることが動物実験で明らかになっているのです。
そして、チューインガムやバターなどに使われているBTAは、膀胱がんや甲状腺がんを引き起こる可能性が高くなるということが、アメリカの実験で発表されています。
嗜好性ばかり重視しない
飼い主さんとしては、飼い猫が喜んで食いつくようなドライフードを選びたいものですよね。
しかし、嗜好性がいいドライフードほど、栄養面に配慮されていないことも多いのです。
特に安価なドライフードの中には猫が食いつくように、添加物や合成調味料を混ぜ込んであるものも少なくありません。
飼い猫に楽しく食事をさせてあげるには嗜好性を気にかけることも大切ですが、その際は必ずパッケージを見て、不安な原材料が使用されていないか確認しましょう。
子猫にはいつからドライフードを食べさせるべき?
生後間もない子猫は、まだ歯が生えていないため、ドライフードを食べることができません。
猫の歯は、人間と同じで乳歯が生えそろってから、永久歯に生え変わります。
子猫の乳歯は、生後3週間くらいから生え始め、生後2ヶ月前後で生えそろうため、生後3週間以前はドライフードではなく、ミルクや離乳食を与えてあげましょう。
また、乳歯が生え始めた頃にドライフードをそのまま与えても、子猫は食べることができません。
歯が生えそろわないうちは、ドライフードをお湯に浸し、柔らかくふやかしてから与えるようにしましょう。
飼い猫がいつものフードを突然食べなくなる理由とは?

味に飽きた
飼い猫が突然いつものドライフードを食べなくなると、飼い主さんは「どうしたのだろう」と心配になってしまうものです。
実は猫も人間と同じで、毎日同じドライフードばかりを食べていると、飽きてしまいます。
こうしたフードへの飽きっぽさは、猫の性格によっても大きな差が見られるでしょう。
中には何十年間、同じフードを与え続けてもまったく飽きない子もいますし、逆にいろいろなフードを与えても、すぐに飽きて食べなくなってしまう子もいます。
飼い主さんは飼い猫の食欲を見ながら、猫がドライフードに対してマンネリを感じていないかを日頃からチェックしていきましょう。
体調不良
飼い猫の食欲がないときは、健康状態をチェックすることも大切です。
体に異変があると、猫も食欲がわかず、フードを食べなくなってしまいます。
そもそも猫は、においを嗅ぐことで目の前にあるフードが食べられるものかどうかを判断しています。
そのため、猫風邪ともいわれる「猫カリシウイルス感染症」や「猫鼻気管炎」にかかると、鼻がつまり、食欲がわかなくなってしまうので注意しましょう。
食欲には季節も関係あり!
飼い猫の食欲は、季節とも関係があり、一般的に猫の食欲は春から夏にかけて減退します。
特に気温が高い夏は、猫も夏バテのような状態になり、口にするフードの量も減るでしょう。
対して、気温が低くなってくる秋から冬は、エネルギー代謝を活発にし、体温を保とうとするため、食欲がアップします。
季節による食欲の変化は、完全室内飼いの子よりもお外へ自由に出られる子や外飼いの子に見られやすいでしょう。
食べてもらうために飼い主さんができる工夫とは

フードを温めよう
フードは温めることでにおいが強くなり、猫の食欲をアップさせることができます。
ドライフードは固形なので、お湯で少し柔らかくしてから温めるようにしましょう。
こうすることで、においがさらに強くなり、猫風邪で鼻がきかない猫の食欲もアップさせることができます。
ふやかしたドライフードは子猫の離乳食としても活用させることができますし、噛む力が弱くなった老猫の場合は負担をかけずに食事を楽しませてあげられるでしょう。
フードをローテーションさせる
飼い猫がいつものフードに飽きてきていると感じたときは、フードをローテーションさせてみましょう。
ただし、ローテーションさせるフードは3種類程度にしておくのがおすすめです。
その際は、主原料が異なるフードを与えてみるのもよいでしょう。
例えば、いつもは肉が主原料のフードを与えているという場合は、魚が主原料のものをチョイスします。
数種類のフードをローテーションさせれば、飼い猫の好みも判明するので、嗜好性に合わせたフードを選ぶこともできるようになってくるはずです。
ドライフードにトッピングをしよう
ドライフードの種類を変えても、なかなか食欲がアップしないときは粉ミルクをかけてみるのもおすすめです。
粉ミルクはお湯で溶かさず、粉末のままかけるだけでも、食欲をアップさせることができます。
しかし、成猫の中には粉ミルクにあまり興味を示さない子もいるかもしれません。
こうした子の場合は、ウェットフードをトッピングすることで、においを強くしてみてください。
ただし、ウェットフードはドライフードよりも腐るのが早いため、食べ残しをしたときはすぐ捨てるようにしましょう。
置き餌の危険性とは?

肥満猫になる
飼い猫がいつでも食べられるよう、フードを置きっぱなしにしておくと肥満猫になるリスクがあがります。
特に多頭飼いをしているおうちでは、早食いや大食いをする子が他の子のフードを横取りして食べてしまうこともあるでしょう。
こうなると、1匹だけが肥満体型になってしまうことも多いのです。
肥満は、糖尿病などの深刻な病気を引き起こす原因にもなってしまいます。
酸化したフードを口にしてしまう可能性も…
置き餌をしている場合、猫はちょこちょこ食いをするものです。
しかし、こうした食べ方で猫の唾液がついたフードを放置しておくと、菌が繁殖してしまい、不衛生なフードになってしまいます。
また、長時間置きっぱなしすることで酸化したフードは栄養も薄れていて、体調不良の原因にもなるでしょう。
ドライフードの場合は、フードの腐敗が目で確認しにくいため、特に注意が必要です。
尿路結石や膀胱炎も引き起こすかも!?
猫の尿は弱酸性であるといわれていますが、食後はアルカリ性に傾きやすくなります。
そのため、置き餌でダラダラ食いをさせていると、アルカリ性の尿が膀胱に溜まったままになってしまい、尿路結石や膀胱炎といった病気を引き起こす可能性が高くなるといわれているのです。
ただでさえ猫は、下部尿路系の病気を引き起こしやすい動物だからこそ、食事面からも病気を予防してあげましょう。
賞味期限切れのドライフードはあげてもOK?
ドライフードは水分を含んでいないため、賞味期限が切れていても見た目で分かる変化はありません。
しかし、においや味は悪くなっているため、猫が口にしない可能性もあるでしょう。
未開封の場合は、賞味期限切れであっても「もったいないから与えよう」と思う方もいるかもしれません。
しかし、未開封であっても袋の中でフードの酸化は進みますし、無添加で質のいいドライフードは腐敗も早いものです。
また開封後のドライフードは空気に触れることで、フードの酸化も進み、栄養素も薄れていきます。
ですから、飼い猫に質のいい食事をさせたいのであれば、賞味期限切れのドライフードはあげないようにし、開封後は1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
食欲もアップ!開封済みドライフードの正しい保存方法とは?
開封済みフードの質を保つためには、正しい方法で保存することが大切です。
そのためには、密閉容器を活用してみましょう。
小分けタイプになっていないドライフードの場合は、ホームセンターなどで売られている米びつにいれて保管するのがおすすめです。
その際は、湿気と害虫に気を付けましょう。
湿気はフードにカビが生える原因になります。
中でも、トウモロコシなどの穀物を主原料にしてあるドライフードは、穀物害虫がわきやすいため、高温多湿を避け、涼しい場所で保管できるよう、心がけましょう。
管理を徹底しておいしいドライフードを与えよう
ドライフードは飼い猫が毎日口にするものだからこそ、こだわりを持って選んだり、管理を徹底したりすることが大切です。
せっかく質のいいドライフードを選んでも、保存法がしっかりされていないと意味がありません。
飼い猫の食事に関して悩んでいる方は、ぜひこれを参考においしくて安全なドライフードを与えられるように努力していきましょう。
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